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モンステラ属 全種一覧|Kew POWO準拠の学名データベース
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モンステラ属 全種一覧|Kew POWO準拠の学名データベース

by tokyoplants 編集部

「モンステラ・アルボ」「モンステラ・タイコンステレーション」「モンステラペルー」——観葉植物店やSNSで見かけるモンステラの名前は、そのほとんどが正式な学名(種)ではなく、流通名・園芸品種名(カルチバー)です。では、モンステラ属として学術的に認められている「種」は本当は何種あり、どんな学名を持っているのでしょうか。

本記事は、英国キュー王立植物園(Royal Botanic Gardens, Kew)が運営する植物分類データベース Kew Plants of the World Online(POWO) の情報をもとに、モンステラ属の学名を整理したリファレンス記事です。独自の調査や実測は行っておらず、Kew POWOという世界的に権威のある一次情報を日本語で正確に整理することを目的としています。「モンステラの正式な種を調べたいときは、まずこのページを見ればいい」という状態を目指しました。

出典: Kew Plants of the World Online「Monstera Adans.」https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:330206-2(アクセス日: 2026-09-09)

結論

  1. Kew POWOでは、モンステラ属(Monstera)に**73種の受理種(Accepted Species)**が登録されている(2026-09-09時点)。これまで整理してきたアロカシア属(91種)・アンスリウム属(1,459種)・フィロデンドロン属(630件)と比べると最も小規模な属であり、かつ交配種(ハイブリッド)の記載もないため、「73種」という数字がそのまま学名の総数と一致する、珍しくシンプルなケースである。
  2. 「学名」「シノニム(異名)」「受理種」「品種(カルチバー)」は別の概念であり、観葉植物店で見る名前の多くは学名ではなく品種名・流通名にあたる。
  3. デリシオーサ・アダンソニーなど代表種は73種の受理種と明確に対応する一方、「モンステラ・カリステニアナム(ペルー)」「バールマルクス」のように、流通名と正式な学名の対応関係がPOWO上でも整理しきれていない、分類学的にグレーな名称も少なくない。

モンステラ属の基本情報

項目 内容
学名 Monstera Adans.
サトイモ科(Araceae)
オモダカ目(Alismatales)
初出文献 Fam. Pl. 2: 470(1763年)
原産地 メキシコ〜熱帯アメリカ(Mexico to Tropical America)
Kew POWO受理種数 73種(交配種の記載なし、2026-09-09時点)
出典 Kew Plants of the World Online
ラム
ラム植物博士POINT

tokyoplantsの属解説記事では「モンステラ属は約50種」と紹介しているけど、Kew POWOの受理種数はそれよりも多い73種なんだ。これは間違いというより、モンステラのように分類の見直しが続いている属では、参照するデータベースや年代によって数字がずれることがよくあるからだよ。アロカシア属(91種)やフィロデンドロン属(630種)と比べると、モンステラ属は今回整理した中で一番コンパクトな属といえるね。


学名・分類の基礎知識——「学名」「シノニム」「受理種」「品種」の違い

観葉植物のラベルや通販サイトに書かれた名前には、実はいくつかの異なる階層がある。この違いを理解しておくと、次のセクションの一覧表がぐっと読みやすくなる。

  • 学名(Scientific Name):国際藻類・菌類・植物命名規約(ICN)に基づいて付けられる、世界共通のラテン語形式の名前。属名+種小名+命名者(例:Monstera deliciosa Liebm.)の組み合わせで表記される。
  • 受理種(Accepted Species):分類学的な検証を経て、現時点で「独立した種として有効」と判断されている学名。Kew POWOでは種ごとに「Accepted」「Synonym」のステータスが明記されている。
  • シノニム(Synonym/異名):かつて独立種として発表されたが、その後の研究で別の種、あるいは別属の種と同一と判断され、統合された学名。
  • 品種・カルチバー(Cultivar):受理種の中から選抜・交配によって作られた栽培品種。学名ではなく「'Thai Constellation'」のようにクォーテーションで囲んだ名前(カルチバー名)で表記され、独立した学名は持たない。
  • 交配種(Hybrid):異なる2つの種を掛け合わせて作られたもの。モンステラ属では今回参照したPOWOのリストに交配種(nothospecies)の記載はなかった。

観葉植物店で「モンステラ・アルボ」と表示されていても、これは学名ではなく「Monstera deliciosa という受理種の、斑入り(Variegata)という選抜個体群」を指す流通名である。この構造を知っているかどうかで、以降の学名リストの読み方が変わってくる。

クロ
クロ土・植え替え担当POINT

モンステラ属の多くの種は「半着生(hemiepiphytic)」といって、地面で発芽した後に気根で樹木に登っていく生態を持っているんだ。鉢植えで育てるときも、気根を支柱に誘引して株を安定させると、根が水分や養分を効率よく吸えるようになって、葉のサイズや切れ込みの発達が良くなるよ。植え替えのたびに気根の状態をアプリの育成ログに残しておくと、次の用土選びの参考になるはず。


Kew POWO受理種のうち、tokyoplantsに図鑑記事がある種

まず、tokyoplantsで育て方の詳しい図鑑記事を公開している種を紹介する。モンステラ属は73種の受理種を持つが、観賞用として実際に流通し、栽培情報が蓄積されている種はそのうちのごく一部にすぎない。

学名が本文で明記されている種

学名 命名者 tokyoplants記事
Monstera adansonii Schott 育て方図鑑斑入り品種の図鑑
Monstera deliciosa Liebm. 育て方図鑑斑入り品種アルボの図鑑品種ミントの図鑑品種タイコンステレーションの図鑑
Monstera dubia (Kunth) Engl. & K.Krause 育て方図鑑
Monstera obliqua Miq. 育て方図鑑
Monstera siltepecana Matuda 育て方図鑑
Monstera standleyana G.S.Bunting 育て方図鑑

上記6種で、tokyoplantsが公開している図鑑記事のうち9本の主題種をカバーする(デリシオーサの斑入り品種3本を含む)。属全体の解説であるモンステラ属とは|主な品種・育て方・特徴を解説は、特定の1種に対応する記事ではないためこの表には含めていない。

学名を明記していない記事(カルチバー名のみ)

以下の3記事は、本文中でMonstera属のカルチバー(栽培品種)としてのみ記載されており、特定の種小名は明記されていない。推測で対応付けせず、正直にその旨を記載する。

学名の対応関係が特に複雑な種・流通名

以下の3記事は、単純に「73種のどれか」に対応付けることができない、分類学的にグレーな名称を扱っている。tokyoplantsの各記事自体もこの複雑さを正直に扱っており、本記事ではその内容とKew POWOでの確認結果を照らし合わせて整理する。

モンステラ・カリステニアナム(モンステラペルー)育て方図鑑では、流通上の学名表記として Monstera karstenianum Nicolson が使われるが、記事自体が「Kew POWOはこの学名をPhilodendron opacum Croat & Grayumの異名(シノニム)として扱っており、そもそもモンステラ属ではない可能性がある」と明記している。実際、今回参照した73種の受理種リストにもkarstenianumという種小名は含まれていない。流通する個体が学術的にどの分類群に対応するかは、tokyoplantsの記事内でも「断定はできない」としており、本記事もその整理を踏襲する。

バールマルクス/バールマルクス・フレームバールマルクスの育て方図鑑は学名を Monstera sp.(未確定)として扱っており、一時期「Monstera dilacerata」という名前で流通したことがあったが、これは誤りだったと記事内でも明記している。今回Kew POWOで確認したところ、この学名(Monstera dilacerata (K.Koch & Sello) K.Koch)はモンステラ属の受理種として掲載されておらず、全く別属であるEpipremnum pinnatumのシノニムとして扱われていた。一方で、POWO内のM. dissectaM. spruceanaという受理種のページには、研究者Madisonがこの名称(dilacerata)を、現在は別の学名とされる種に対して使っていたという趣旨の記述もあり、この名前が歴史的に複数の分類群を指して使われてきた、混乱の多い名称であることがうかがえる。流通名「バールマルクス」が学術的にどの受理種に対応するかは、本記事で参照した一次情報だけでは断定できない。バールマルクス・フレームの図鑑も同じ由来を持つ個体群として扱われており、この点は共通している。

クロ
クロ土・植え替え担当WARNING

「モンステラペルー」も「バールマルクス」も、流通名としては定着しているのに学名が定まっていない植物なんだ。こういう種は、気根の張り方や鉢内での根詰まりのサインが正式な近縁種と微妙に異なることもあるから、購入元の育成情報を鵜呑みにせず、植え替え時に根の状態をよく観察して自分の環境に合わせていくのがコツだよ。


Kew POWO掲載の全73種一覧(学名アルファベット順)

Monstera Adans. に属する受理種として、Kew POWOで2026年9月9日時点に確認できたものは以下の73件。種小名(エピセット)のアルファベット順に掲載する。太字にしたものは、上記「学名が本文で明記されている種」の表で紹介した6種を示す。

No. 学名 命名者
1 Monstera acacoyaguensis Matuda
2 Monstera acuminata K.Koch
3 Monstera adansonii Schott(育て方図鑑あり
4 Monstera alcirana Croat, M.Cedeño, Zuluaga & O.Ortiz
5 Monstera alfaroi Croat & M.Cedeño
6 Monstera amargalensis Croat & M.M.Mora
7 Monstera anomala Zuluaga & Croat
8 Monstera aureopinnata Croat
9 Monstera barrieri Croat, Moonen & Poncy
10 Monstera bocatorensis Croat & M.Cedeño
11 Monstera boliviana Rusby
12 Monstera buseyi Croat & Grayum
13 Monstera caribaea M.Cedeño, O.Ortiz & A.Hay
14 Monstera cedenoi O.Ortiz, Croat & J.Hughes
15 Monstera cenepensis Croat
16 Monstera coclensis Croat
17 Monstera colossica M.Cedeño & O.Ortiz
18 Monstera corana M.Cedeño & O.Ortiz
19 Monstera costaricensis (Engl. & K.Krause) Croat & Grayum
20 Monstera croatii M.Cedeño & A.Hay
21 Monstera deliciosa Liebm.(育て方図鑑あり
22 Monstera dissecta (Schott) Croat & Grayum
23 Monstera donosoensis Croat, M.Cedeño & O.Ortiz
24 Monstera dubia (Kunth) Engl. & K.Krause(育て方図鑑あり
25 Monstera egregia Schott
26 Monstera epipremnoides Engl.
27 Monstera filamentosa Croat & Grayum
28 Monstera florescanoana Croat, T.Krömer & Acebey
29 Monstera gambensis M.Cedeño & M.A.Blanco
30 Monstera gentryi Croat, M.Cedeño & O.Ortiz
31 Monstera gigas Croat, Zuluaga, M.Cedeño & O.Ortiz
32 Monstera glaucescens Croat & Grayum
33 Monstera gracilis Engl.
34 Monstera guzmanjacobiae Diaz Jim., M.Cedeño, Zuluaga & Aguilar-Rodr.
35 Monstera harrisoniorum Croat, M.Cedeño & O.Ortiz
36 Monstera integrifolia Zuluaga & Croat
37 Monstera juliusii M.Cedeño & Croat
38 Monstera kessleri Croat
39 Monstera kikiae Zuluaga & M.Cedeño
40 Monstera lamersiana M.Cedeño & A.Hay
41 Monstera lechleriana Schott
42 Monstera lentii Croat & Grayum
43 Monstera limitaris M.Cedeño
44 Monstera luteynii Madison
45 Monstera maderaverde Grayum & Karney
46 Monstera membranacea Madison
47 Monstera minima Madison
48 Monstera mittermeieri M.Cedeño
49 Monstera molinae Croat & Grayum
50 Monstera momoi Zuluaga & M.Cedeño
51 Monstera monteverdensis M.Cedeño & Croat
52 Monstera ngabensis Croat
53 Monstera obliqua Miq.(育て方図鑑あり
54 Monstera oreophila Madison
55 Monstera panamensis M.Cedeño & O.Ortiz
56 Monstera pinnatipartita Schott
57 Monstera pittieri Engl.
58 Monstera planadensis Croat
59 Monstera praetermissa E.G.Gonç. & Temponi
60 Monstera punctulata (Schott) Schott ex Engl.
61 Monstera siltepecana Matuda(育て方図鑑あり
62 Monstera spruceana (Schott) Engl.
63 Monstera standleyana G.S.Bunting(育て方図鑑あり
64 Monstera subpinnata (Schott) Engl.
65 Monstera tablasensis M.Cedeño
66 Monstera tacanaensis Matuda
67 Monstera tarrazuensis Croat & M.Cedeño
68 Monstera tenuis K.Koch
69 Monstera titanum Croat, M.Cedeño & O.Ortiz
70 Monstera tuberculata Lundell
71 Monstera vasquezii Croat
72 Monstera wilsoniensis M.Cedeño & Grayum
73 Monstera xanthospatha Madison

上記のうち、栽培に関する情報がほとんど公開されていない種(例:Monstera aureopinnataMonstera minima など)については、生態や特徴について確度の高い情報が乏しいため、本記事では学名と命名者の掲載にとどめている。無理に特徴を創作することは、このリストの正確性という価値を損なうため避けた。

「73種」の数字がきれいに一致する理由

Kew POWOのモンステラ属ページには「Includes 73 Accepted Species(73の受理種を含む)」と明記されている。これまで整理してきたアロカシア属(91種の受理種+交配種1件で計92学名)やアンスリウム属(1,459種の受理種+交配種1件で計1,460学名)では、交配種(nothospecies)の記載がある分だけ「受理種数」と「掲載学名数」がずれていた。一方、今回参照したモンステラ属のページには交配種の記載が見当たらず、実際にリストアップされた学名も73件ちょうどだった。そのため今回は珍しく、「受理種数」と「一覧に並ぶ学名の総数」が完全に一致するシンプルなケースになっている。分類情報は今後も更新されうるため、最新の数を確認したい場合は必ず出典元のPOWOページを直接参照してほしい。


流通名・品種と学名の対応表

観葉植物店やSNSで見かける「アルボ」「タイコンステレーション」「モンステラペルー」といった名前の多くは、上記の受理種のいずれかの品種(カルチバー)、あるいは学名が定まっていない流通名である。tokyoplantsの図鑑記事の中で、学名との対応関係が本文に明記されているものを整理した。

対応関係が明確なもの

流通名 対応する学名 分類上の位置づけ tokyoplants記事
マドカズラ Monstera adansonii 受理種そのもの(穴の入った小葉が特徴) 育て方図鑑
マドカズラ(斑入り) Monstera adansonii 受理種の斑入り個体群 育て方図鑑
アルボ(バリエガータ) Monstera deliciosa 'Albo Variegata' 受理種デリシオーサの斑入り品種 育て方図鑑
ミント Monstera deliciosa 'Mint' 受理種デリシオーサの品種 育て方図鑑
タイコンステレーション Monstera deliciosa 'Thai Constellation' 受理種デリシオーサの斑入り品種 育て方図鑑
ドゥビア Monstera dubia 受理種そのもの(幼葉が幹に密着するシールド状の姿が特徴) 育て方図鑑
オブリクア Monstera obliqua 受理種そのもの 育て方図鑑
シルテペカナ Monstera siltepecana 受理種そのもの 育て方図鑑
スタンデレアナ Monstera standleyana 受理種そのもの 育て方図鑑

学名が明記されていないもの(カルチバー名のみ)

流通名 分類上の位置づけ tokyoplants記事
エレクトロライト Monstera 'Electro Light'(種小名の明記なし) 図鑑
ミラクル Monstera 'Miracle'(種小名の明記なし) 図鑑
イエローマリリン Monstera 'Yellow Marilyn'(種小名の明記なし) 図鑑

学名・分類の位置づけそのものが定まっていないもの

一方で、以下の流通名は、tokyoplantsの図鑑記事自体がKew POWOなどの一次情報を踏まえて「学名が確定していない」と明記しているケースである。推測で学名を当てはめることはせず、「未確定」として扱うのが誠実な情報整理だと考えている。

流通名 分類上の位置づけ 備考
カリステニアナム(モンステラペルー) 流通上の学名 Monstera karstenianum Nicolson POWO上ではモンステラ属ではなくフィロデンドロン属(Philodendron opacum)の異名として扱われており、今回の73種の受理種リストにも含まれない
バールマルクス Monstera sp.(未確定) 一時期「Monstera dilacerata」の名で流通したが誤りとされ、POWO上でもこの学名はモンステラ属ではなく別属(Epipremnum pinnatum)のシノニムとして扱われている
バールマルクス・フレーム Monstera sp.(未確定) バールマルクスと同じ個体群由来とされ、栽培品種名 Monstera 'Burle Marx's Flame' として2022年に登録済み

これらは学術的な系統が不明であっても、観賞価値や栽培のノウハウが失われるわけではない。ただし「〇〇という原種の子孫」といった説明を見かけた場合は、根拠となる一次情報(記載論文や分類データベース)があるかどうかを確認する姿勢が大切になる。


まとめ

  1. Kew POWOによると、モンステラ属の受理種(Accepted Species)は2026-09-09時点で73種。交配種の記載がなく、「受理種数」と「一覧の学名総数」が珍しく完全に一致するシンプルな属だった。
  2. 「学名」「シノニム」「受理種」「品種(カルチバー)」は別の概念であり、観葉植物店で目にする多くの名前は学名ではなく品種名・流通名にあたる。
  3. デリシオーサ・アダンソニーなどは対応する受理種が明確な一方、「モンステラペルー」やバールマルクスのように、流通名と正式な学名の対応関係がPOWO上でも整理しきれていない名称も存在する。こうした名称については、tokyoplantsの各図鑑記事でも断定を避け、分かっている事実とそうでない部分を分けて紹介している。

出典: Kew Plants of the World Online「Monstera Adans.」https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:330206-2(アクセス日: 2026-09-09)。分類情報は今後の研究によって更新される可能性があるため、最新の情報は必ず出典元でご確認ください。

モンステラ属の全体的な育て方の基本はモンステラの育て方完全ガイド、代表種の特徴や品種一覧はモンステラ属とは|主な品種・育て方・特徴を解説で詳しく解説している。

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