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モンステラ属とは|主な品種・育て方・特徴を解説
植物図鑑

モンステラ属とは|主な品種・育て方・特徴を解説

by tokyoplants 編集部

モンステラ属とは

モンステラ属(Monstera)はサトイモ科に属する常緑つる性植物のグループで、約50種が中央アメリカから南アメリカの熱帯雨林に自生している。大きく切れ込みの入った葉が最大の特徴で、観葉植物として世界中で広く栽培される。

項目 内容
科名 サトイモ科(Araceae)
属名 モンステラ属(Monstera
種数 約50種
原産地 メキシコ〜中央アメリカ、南アメリカ熱帯域
生育型 常緑つる性(半着生)
耐寒温度 多くの種で5℃以上

属の特徴

葉の切れ込みと穴

モンステラ属を他の観葉植物と分ける最大の特徴が、成熟した葉に現れる切れ込み(裂片)と穴(窓孔)である。幼葉はハート型の全縁だが、株が成長すると葉に深い切れ込みが入り、一部の種では葉の内部に楕円形の穴が開く。

この形態は「モンステラ型穿孔葉」と呼ばれ、強風による葉の損傷を防ぐ適応、あるいは林床に届く光を効率的に受けるための適応と考えられている。

半着生の生態

自然環境では地面に発芽した後、気根を使って周囲の樹木に着生し、光を求めて上方へ成長する。この半着生(hemiepiphytic)の生態が、室内でも支柱やヘゴ棒に絡ませて仕立てる栽培法の根拠になっている。

気根

茎の節から太い気根を伸ばし、空気中の水分を吸収しながら支持体に固定する。室内栽培では気根が目立つが、切除しても株の健康に大きな影響はない。ただし、支柱に誘引すると株全体の安定性が増し、葉が大きく展開しやすくなる。


学名の由来と歴史

属名 Monstera はラテン語の "monstrum"(怪物、異常)に由来し、葉に開く不規則な穴や巨大な葉姿を「怪物的」と表現したことに基づく。1763年にフランスの植物学者Michel Adansonが記載した。

代表種 M. deliciosa の種小名 "deliciosa" は「美味な」を意味し、完熟した果実が食用になることに由来する。果実はパイナップルとバナナを混ぜたような風味とされるが、未熟果にはシュウ酸カルシウムの針状結晶が含まれ、口腔内に強い刺激を与えるため注意が必要である。

ヨーロッパには19世紀にプラントハンターによって持ち込まれ、温室植物として栽培が始まった。日本には明治末期に導入されたとされる。


主な品種一覧

モンステラ・デリシオーサ(M. deliciosa

最も普及している代表種。成熟すると葉の直径が60〜90cmに達し、深い切れ込みと穴が入る。成長が旺盛で、室内でも高さ2m以上になることがある。

モンステラ・アダンソニー(M. adansonii

デリシオーサより小型で、葉に多数の楕円形の穴が開く。切れ込みは浅く、穴が主体の葉姿が特徴。別名「マドカズラ」として流通する。つる性が強く、ハンギングや支柱仕立てに向く。

モンステラ・デリシオーサ 'ボルシギアナ'(M. deliciosa 'Borsigiana')

デリシオーサの小型変種とされることが多い。葉はデリシオーサより小さく、節間が長い。成長が速く、コンパクトに管理しやすいため、室内栽培で人気が高い。斑入り品種(オーレア、アルボ)が高額で取引される。

モンステラ・ドゥビア(M. dubia

幼株は小さな銀色の斑が入った葉を樹木の幹に密着させて成長するシングルリーフ型。成熟すると葉が大型化し、切れ込みが入る。幼葉と成葉で姿が大きく異なる種。

モンステラ・ペルツーサ(M. pertusa

アダンソニーと混同されることが多いが、別種として扱われる場合がある。葉の穴の形状や大きさで区別されるが、分類が安定しておらず、流通名の混乱が見られる。

モンステラ・スタンデレアナ(M. standleyana

葉は披針形で切れ込みが入らず、白〜クリーム色の斑が縦に入る。他のモンステラとは外観が大きく異なり、モンステラ属と知らずに購入する人も多い。


育て方の共通ポイント

明るい間接光が最適。耐陰性はあるが、光量が不足すると葉の切れ込みが入りにくくなり、節間が間延びする。直射日光は葉焼けの原因になるため避ける。

温度

生育適温は20〜30℃。多くの種で最低5℃を下回ると障害が出る。冬季は10℃以上を維持するのが望ましい。

水やり

成長期(5〜9月)は土の表面が乾いたらたっぷり与える。冬季は土が完全に乾いてから2〜3日後に与える程度に控える。過湿は根腐れの直接原因になるため、排水性の高い土との組み合わせが重要。

排水性と保水性のバランスが取れた土が適する。赤玉土・鹿沼土・パーライトをベースにした配合、または観葉植物専用土が使いやすい。

肥料

成長期に月1回の緩効性肥料、または2週間に1回の液肥。冬季は不要。

支柱

つる性のため、支柱やヘゴ棒を立てて気根を誘引すると、葉が大きく展開しやすくなる。支柱なしでも育つが、株が倒れやすくなり、葉のサイズも小さくなる傾向がある。

植え替え

成長が旺盛なため、1〜2年に1回の植え替えが必要。適期は5〜6月。根詰まりすると成長が鈍り、葉が小さくなる。


よくあるトラブル

葉が黄色くなる

最も多い原因は過湿による根腐れ。土の排水性と水やり頻度を見直す。古い下葉が1〜2枚黄変するのは自然な代謝で問題ない。

葉に切れ込みが入らない

光量不足が主な原因。明るい間接光の場所に移動する。また、株が若い(幼い)段階では切れ込みが入らないのは正常。

葉先が茶色くなる

空気の乾燥、または水不足。特にエアコン使用時は湿度が下がりやすい。葉水で補うか、加湿器を併用する。

茎が間延びする(徒長)

光量不足のサイン。明るい場所に移動し、伸びすぎた茎は切り戻す。切り戻した茎は水挿しで発根させ、増やすことができる。

根腐れ

排水性の低い土、底穴のない鉢、過剰な水やりが原因。幹がぶよぶよする、土から異臭がする場合は、すぐに鉢から出して腐った根を除去し、排水性の高い土に植え替える。


種の見分け方

属内の品種は混同されやすいが、以下の特徴を押さえると判別しやすい。

種名 葉の大きさ 切れ込み 節間
デリシオーサ 大型(60〜90cm) 深い あり(成熟後) 短め
ボルシギアナ 中型(30〜60cm) 深い あり 長め
アダンソニー 小〜中型 浅い〜なし 多数・楕円形 中程度
ドゥビア 小型(幼株) なし なし 這い型
スタンデレアナ 中型・披針形 なし なし 中程度

デリシオーサとボルシギアナの区別は特に混乱しやすい。葉のサイズと節間の長さ、また成熟葉の葉柄基部にゼニタナゴ状の耳(auricle)があるかどうかが判別点になる。デリシオーサには耳があり、ボルシギアナにはない、というのが一般的な識別基準とされる。


繁殖と増やし方

モンステラ属は比較的増やしやすい属で、複数の繁殖方法が使える。

茎挿し(挿し木)

最も一般的な方法。節(ノード)に気根の跡(根跡)が付いた茎を10〜15cm切り取り、水または培地に挿す。気根が発達している節を使うと発根が速い。発根まで2〜4週間。

水挿し

切り取った茎を水に挿し、明るい間接光の下に置く。水は週に1〜2回交換する。根が5cm程度に伸びたら用土に植え替える。

株分け

大株に育った場合、根元で複数の株に分けることができる。植え替え時に実施するのが損傷を最小限にするコツ。

エアレイヤリング(取り木)

茎を切らずに発根させる方法。茎の一部の皮をむき、湿らせた水苔で包んでラップで固定する。2〜4週間で発根する。切り取った後の株も問題なく再生する。


まとめ

  • モンステラ属はサトイモ科の常緑つる性植物で、約50種が熱帯アメリカに自生
  • 葉の切れ込みと穴が属全体の共通特徴
  • 代表種はデリシオーサとアダンソニー(マドカズラ)
  • 明るい間接光・排水性の高い土・適切な水やりが育成の基本
  • 過湿と光量不足が最も多いトラブル原因
  • 成長が旺盛なため、支柱による管理と定期的な植え替えが必要

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