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スキンダプサス・トロイビー・ダークフォーム|ムーンライトとの違い
植物図鑑

スキンダプサス・トロイビー・ダークフォーム|ムーンライトとの違い

by Masashi Matsubuchi

光沢のある葉が成熟するにつれてほぼ黒に近い色へと変わっていく、スキンダプサス・トロイビー・ダークフォーム。同じ Scindapsus treubii 由来でありながら、銀のグラデーションが特徴の「ムーンライト」とは対照的な色合いを持ち、両方を並べてコレクションする愛好家も多い。この記事ではダークフォームの特徴と育て方、ムーンライトとの違いを整理する。


結論

  1. ダークフォームとムーンライトは同じ Scindapsus treubii という種に由来する、色合いの対照的な2つの品種(カルチバー)である。 ダークフォームは成熟葉がほぼ黒に見えるほど濃くなり、ムーンライトは銀白色のグラデーションが入る、正反対の個性を持つ。
  2. ダークフォームの黒に近い発色を保つには、ムーンライト以上に明るい光が必要。 光量が不足すると、せっかくの濃色が薄れて単調な緑に近づいてしまう。
  3. 基本の育て方(明るい間接光・乾かし気味の水やり)は共通しているが、成長速度はムーンライトよりもさらにゆっくりな傾向がある。

基本情報

項目 内容
学名 Scindapsus treubii 'Dark Form'
基本種の学名 Scindapsus treubii Engl.(POWOで受理された種)
科名 サトイモ科(Araceae)
属名 スキンダプサス属(Scindapsus
原産地(基本種) マレー半島、ボルネオ北西部、ジャワ
生育型 蔓性・着生(登攀性)
別名・流通名 トロイビー・ブラック('Black')、トロイビー・ニアリーブラック('Nearly Black')
耐寒性 やや弱い(最低15℃以上が望ましい)
難易度 ★★☆☆☆(初〜中級)

特徴

成熟につれて黒に近づく葉

ダークフォームの若い葉は光沢のある深緑色で展開するが、株が成熟するにつれて色が濃くなり、光の当たり方によってはほぼ黒に見えるサテン仕上げの葉へと変化していく。この特徴から、流通名として「ブラック」や「ニアリーブラック」と呼ばれることもある。葉の形はムーンライトと同様に細長く、先端がわずかに非対称にカーブする。

ラム
ラム植物博士POINT

「ブラック」や「ニアリーブラック」という呼び名で売られていても、正体は同じ「ダークフォーム」のことが多いよ。ラベルの表記だけで別品種と勘違いしないよう気をつけてね。

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支柱に誘引すると葉が大きくなる

ココポールなどの支柱に誘引して登らせると、気根が定着して吸水・吸肥が安定し、葉が大きく育ちやすくなる。地を這わせたまま管理すると葉が小さいまま留まりやすい傾向は、ムーンライトと共通している。


ムーンライトとの違い

結論

ダークフォーム vs ムーンライト

ダークフォーム

成熟すると黒に近づく濃色葉

  • 成熟葉はほぼ黒に見えるサテン仕上げ
  • 発色維持にはムーンライト以上の明るい光が必要
  • 「ブラック」「ニアリーブラック」の名でも流通
VS

ムーンライト

銀のグラデーションが入る明色葉

  • 主脈沿いに銀白色のグラデーションが入る
  • 光沢のある滑らかな質感
  • 水が欲しいと葉が軽く巻く
比較項目 ダークフォーム ムーンライト
基本種 Scindapsus treubii Scindapsus treubii
葉の色 成熟すると黒に近い濃緑〜黒 ミルキーグリーンに銀白のグラデーション
発色に必要な光量 多め(不足すると単調な緑に近づく) 中程度(不足すると銀の発色が鈍る)
成長速度 ムーンライトよりさらに緩やか やや緩やか
流通名の例 'Black'、'Nearly Black'

同じ種に由来しながら真逆の色合いを持つ2品種を並べると、スキンダプサス属の奥深さがよくわかる。ムーンライトの詳しい特徴はスキンダプサス・トロイビー・ムーンライト完全図鑑|ピクタスとの違いで解説している。


育て方

光(置き場所)

明るい間接光が必須。ムーンライトよりも明るめの環境を用意することで、葉の黒味がしっかり発色する。東〜北向きの窓際、または南〜西向き窓のレースカーテン越しが理想的。ただし直射日光は葉焼けの原因になるため避ける。光量が不足すると、濃い色合いが薄まり緑がかった印象になりやすい。

サンディ
サンディ光・日照担当TIP

黒葉系のスキンダプサスは、光の量で色の濃さがけっこう変わるんだ。季節で日照時間が変わりやすい窓辺に置いている場合は、アプリの光量チェックで定期的に確認しておくと安心だよ。

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水やり

土の表面が乾いてから数日待って与える、乾かし気味の管理が基本。過湿は根腐れの直接の原因になるため、受け皿に水を溜めたままにしないこと。

温度・湿度

生育適温は20〜28℃。最低15℃以上を維持したい。湿度は50〜70%程度を確保できると生育が安定する。

用土

水はけの良い配合が基本。観葉植物用培養土にパーライトや軽石を加えるか、ハイドロカルチャー(水耕栽培)での管理も可能。ハイドロカルチャーへの切り替えを検討する場合はハイドロカルチャー完全ガイドを参照してほしい。

肥料

成長期(4〜9月)に月1〜2回の薄めた液肥を与える。冬季は施肥を控える。


よくあるトラブル

葉の色が薄い・緑っぽく見える

原因: 光量不足が最多原因。ムーンライトよりも発色に必要な光量が多い点に注意。

サンディ
サンディ光・日照担当WARNING

「思ったより黒くならない」という相談でよくあるのが、実は置き場所が暗すぎるケース。明るい間接光を確保できているか、まず置き場所から見直してみて。

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対処: より明るい間接光の場所に移動する。育成ライトを併用する場合は株から40〜60cm程度の距離を目安にする。

葉が黄変する

原因: 過湿による根腐れ、または低温ストレス。

対処: 水やりの頻度を見直し、根の状態を確認する。冬場は窓際の冷気を避ける。

成長が止まる・新葉が出ない

原因: 根詰まり、低温、光量不足のいずれか。

対処: 春に一回り大きな鉢へ植え替える。気温と光量を見直す。


増やし方

茎挿し

節を1〜2節含む茎を5〜10cm切り取り、水または湿らせた用土に挿す。25℃前後の暖かい環境で発根までに数週間かかることが多い。ムーンライトと同様、成長がゆっくりな分、発根後の株の充実にも時間がかかる。


まとめ

  1. ダークフォームはムーンライトと同じ Scindapsus treubii 由来の品種で、成熟すると葉がほぼ黒に近い色に変わる対照的な個性を持つ。
  2. 濃い色合いを維持するには、ムーンライトよりも明るめの光環境を確保することが重要になる。
  3. その他の育て方(水やり・温度・用土)はムーンライトと共通しており、両方を並べて色の対比を楽しむコレクションにも向いている。

→ 銀のグラデーションが魅力の対になる品種はスキンダプサス・トロイビー・ムーンライト完全図鑑|ピクタスとの違い、サテン質の斑模様が特徴の近縁種はシンダプサス・ピクタスの育て方もあわせて参照してほしい。

この記事を書いた人

Masashi Matsubuchi

Masashi Matsubuchi / tokyoplants

tokyoplants オーナー

東京・世田谷を拠点とする希少観葉植物専門店「tokyoplants」オーナー。自ら海外へ足を運んで一点ずつ厳選した株を買い付け、年間800株以上を自身の手で育てて販売しています。

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