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ペペロミア・ホープの育て方|垂れる多肉葉が可愛い交配種図鑑
植物図鑑

ペペロミア・ホープの育て方|垂れる多肉葉が可愛い交配種図鑑

by tokyoplants 編集部

小さな丸いコインのような葉が連なり、茎ごと垂れ下がる姿が特徴的な「ペペロミア・ホープ」。ハンギングポットや棚の上から垂らして飾るインテリアグリーンとして人気が高く、コンパクトなサイズ感と丈夫さから初心者にも選ばれやすい品種だ。実は自然界に存在する原種ではなく、育種によって生まれた交配種であることをご存知だろうか。この記事では、ホープの成り立ちと特徴、育て方を詳しく解説する。


結論

  1. ペペロミア・ホープは Peperomia deppeanaP. quadrifolia の交配によって作出された園芸品種(米国特許PP24794)。 2007年にオランダで発見された比較的新しい品種で、自然界に自生する「原種」ではない。
  2. 匍匐性の茎に多肉質の丸い葉が連なる姿がハンギングでの観賞価値を生み、乾燥に強く水やりの手間が少ない育てやすさが人気の理由。 過湿にだけ注意すれば失敗は少ない。
  3. 流通名の表記ゆれに注意——「ロタンディフォリア」や「テトラフィラ」の名で販売されることもある。 見た目や育て方はほぼ共通なので、名称の違いに神経質になりすぎる必要はない。

基本情報

項目 内容
流通名 ペペロミア・ホープ
学名(交配種名) Peperomia 'Hope'(P. deppeana × P. quadrifolia の交配種)
科名 コショウ科(Piperaceae)
属名 ペペロミア属(Peperomia
由来 2007年、オランダ・シント=オーデンローデでの育種プログラムにより作出(米国植物特許 PP24794)
生育型 匍匐性・多肉質(ハンギングに適する)
耐寒温度 10℃以上を推奨
難易度 初心者向け(★☆☆☆☆)

特徴

連なる丸いコイン状の葉

厚みのある小さな円形〜楕円形の葉が、細い茎に密に連なって展開する。葉には水分を蓄える多肉質の組織があり、これがペペロミア属全般に共通する「乾燥に強く過湿に弱い」性質のもとになっている。茎が伸びるにつれて自然に垂れ下がるため、鉢を高い位置に置いたりハンギングバスケットで吊るしたりすると、葉が連なるカスケード状のシルエットが際立つ。

交配種としての成り立ち

ホープは自然に自生する「原種」ではなく、育種家によって意図的に作られた交配種である。米国の植物特許(PP24794)の記録によれば、2007年2月に P. deppeana を種子親、P. quadrifolia を花粉親として交配が行われ、同年7月にオランダの商業ナーサリーで選抜された。どちらの親種も中南米原産の匍匐性・着生性のペペロミアで、ホープはその特徴を受け継いでいる。

なお流通の現場では「ペペロミア・ロタンディフォリア」や「テトラフィラ」の名で販売されることもあり、名称にはややゆれがある。これは近縁種同士で見た目が非常に似ていることに起因すると考えられ、購入時に神経質になるほど厳密に品種名を気にする必要は薄いが、興味がある場合は覚えておくとよい豆知識だ。

コンパクトなサイズ感

草丈・株張りともに小さくまとまり、成長も比較的ゆっくりなため、デスクや棚の上など限られたスペースでも扱いやすい。


近縁種との違い

品種 生育型 葉の特徴 難易度
ホープ 匍匐性 小さな丸いコイン状の厚い葉 ★☆☆☆☆
オブツシフォリア 直立性 大きめの肉厚な卵形の葉 ★☆☆☆☆(詳しくはペペロミア・オブツシフォリアの育て方を参照)
カペラータ ロゼット型 しわのある葉 ★★☆☆☆(詳しくはペペロミア・カペラータの育て方を参照)
アルギレイア(スイカペペ) ロゼット型 スイカ模様の縞 ★★☆☆☆

ペペロミア属全体の生育型や品種展開の全体像は、ペペロミア属の図鑑ページも参照してほしい。


育て方

光(置き場所)

明るい間接光を好む。直射日光は葉焼けの原因になるため避けるが、極端に暗い場所では徒長して茎の間延びが起きる。レースカーテン越しの窓辺が適した置き場所。

水やり

多肉質の葉に水分を蓄えるため乾燥には強い。土の表面が完全に乾いてから与えるのが基本で、迷ったときは水やりを見送るくらいがちょうどよい。過湿による茎腐れが最も多い失敗原因のため、受け皿に水を溜めたままにしないこと。冬季はさらに間隔をあける。

用土

排水性を優先した軽めの配合が適する。観葉植物用の培養土にパーライトを2〜3割加えるか、多肉植物用の土をベースにするとよい。鉢は根鉢に対して大きすぎないサイズを選ぶと、過湿のリスクを抑えられる。

温度・湿度

生育適温は20〜28℃。10℃を下回ると生育が鈍る。湿度は一般的な室内環境で問題なく、過度な加湿は不要。

肥料

成長期(春〜夏)に月1回程度、薄めた液体肥料を施す。肥料要求量は低く、与えすぎは徒長や根焼けの原因になる。冬季は不要。

植え替え

根の成長がゆっくりなため、2〜3年に1回で十分。適期は5〜6月。


よくあるトラブル

茎が黒くなって倒れる(茎腐れ)

原因: 過湿。ペペロミア全般で最も多い致命的トラブル。

対処: 腐った部分を切除し、健全な茎を挿し木で救出する。土の排水性と水やり頻度を見直す。

葉がしわしわ・しなしなになる

原因: 水不足、または逆に根腐れによる根の機能低下。土が乾いているなら水不足、湿っているのにしなしななら根腐れの可能性が高い。

対処: 土の状態を確認した上で、それぞれ適切に対処する。

徒長して茎が間延びする

原因: 光量不足。

対処: 明るい場所へ移動する。間延びした茎は切り戻し、挿し木で仕立て直せる。


増やし方

茎挿しが最も簡単で成功率が高い。健全な茎を2〜3節で切り取り、切り口を1〜2日乾燥させてから、湿らせた土または水に挿す。発根まで2〜4週間ほど。発根前の過剰な水やりは腐敗の原因になるため、土が完全に乾かない程度の最小限の水分管理にとどめる。


まとめ

  1. ペペロミア・ホープは P. deppeana × P. quadrifolia の交配によって生まれた園芸品種で、原種ではない。
  2. 多肉質の丸い葉が垂れ下がるハンギング向きのシルエットが最大の魅力。乾燥に強く、水やりは「完全に乾いてから」が鉄則。
  3. 過湿による茎腐れにさえ注意すれば、初心者でも育てやすいコンパクトな一株になる。

垂れ下がる葉のカスケードは、棚や窓辺に置くだけで空間に柔らかな表情を加えてくれる。ペペロミア属の中でも特に扱いやすい品種のひとつとして、最初の一株にもおすすめだ。

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