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カラテア・ランキフォリアの育て方|インシグニスとの名前の関係
植物図鑑

カラテア・ランキフォリアの育て方|インシグニスとの名前の関係

by tokyoplants 編集部

細長い葉に濃い緑色の斑点が交互に並ぶ姿がガラガラヘビの皮膚模様に似ていることから、英名で "Rattlesnake Plant" とも呼ばれるカラテア・ランキフォリア(Calathea lancifolia)。日本の園芸店では「インシグニス」という別名でも流通しており、2つの名前が併存する背景には分類学上の経緯がある。この記事では基本情報から名前の謎、育て方、よくあるトラブルまでを一次情報に基づいて解説する。

結論

  1. カラテア・ランキフォリアは、日本の園芸店では「インシグニス」の名前でもよく流通している。 これは同一種に付けられた2つの学名(Calathea insignisCalathea lancifolia)が、どちらも園芸の現場で使われ続けてきたためである。
  2. 現在の学術上の正式な学名(Kew植物園のPOWOデータベースによる)は Goeppertia insignis で、これはより古い時代に命名された "insignis" のほうが分類学上の命名規則で優先されたことによる。
  3. カラテア属の中では比較的丈夫で育てやすい部類に入り、初めてカラテアに挑戦する人にもおすすめできる種である。

基本情報

項目 内容
学名(正式) Goeppertia insignis (W.Bull ex W.E.Marshall) J.M.A.Braga, L.J.T.Cardoso & R.Couto
学名(流通名・シノニム) Calathea lancifolia Boom、Calathea insignis (W.Bull ex W.E.Marshall) W.Bull
科名 クズウコン科(Marantaceae)
属名 ゴエピンギア属(Goeppertia、旧カラテア属)
原産地 ブラジル(リオデジャネイロ州を含む同国東部の熱帯雨林)
和名・流通名 ランキフォリア、インシグニス
生育型 常緑多年草(地生・根茎性)
耐寒温度 10℃前後
難易度 初級〜中級(カラテア属の中では比較的丈夫)

特徴

波打つ細長い葉と交互の斑紋

葉は細長い披針形(笹のような形)で、縁が波打っているのが特徴である。葉の表面には中央脈に沿って、大小の濃緑色の楕円形の斑紋が交互に並び、この模様がガラガラヘビの皮膚模様を連想させることから英名 "Rattlesnake Plant" の由来になっている。葉の裏面は深い赤紫〜マルーン色を帯びる。

カラテア属の中では比較的丈夫

多くのカラテア属が湿度・水質の変化に敏感なのに対し、ランキフォリアは比較的環境の変化に強く、初心者でも育てやすい種として紹介されることが多い。ただし「丈夫」といっても他の一般的な観葉植物と比べれば手のかかる部類であり、基本的な湿度管理は必要である。

2つの名前が併存する理由

ランキフォリアには「インシグニス」という別名があり、日本の園芸店では両方の名前で流通しているが、これは分類学上の複雑な経緯による。もともと1873年、イギリスの植物学者ウィリアム・ブル(William Bull)が Calathea insignis として本種を記載したのが最初とされる。その後1912年頃、別の研究者ブーム(Boom)が同じ種(あるいは類似した個体群)を Calathea lancifolia として記載した。学名の命名規則では、原則として最も古く有効に発表された名前が優先される「先取権の原則」があり、Kew植物園のPOWO(Plants of the World Online)データベースでは現在、両者を同一種として扱い、より古い "insignis" にちなむ Goeppertia insignis を正式な学名としている。一方で、園芸の現場では長年「ランキフォリア」の名前で広く流通してきた経緯があり、日本国内では今も両方の名前が並んで使われている。

代表種との違い

同じくクジャクの羽根のような模様を持つカラテア・マコヤナと比べると、ランキフォリアは葉の形状が細長く、模様もより単純な楕円形の連続で構成される。丸く大きな葉に銀緑色の縞模様が入るカラテア・オービフォリアとも草姿が大きく異なり、見分けは比較的容易である。カラテア属全体の代表品種比較はカラテア属とは|人気品種・育て方にまとめている。

育て方

強い直射日光は苦手で、明るい日陰〜レースカーテン越しの間接光が適する。直射日光に当たると葉焼けを起こし、模様の発色が悪くなる。

水やり

成長期は土の表面が乾いたらたっぷりと水を与え、冬は控えめにする。水道水の塩素・フッ素に敏感な個体もあるため、気になる場合は汲み置き水や浄水を使用する。

湿度

カラテア属の中では比較的湿度変化に強いとされるが、それでも空気が極端に乾燥すると葉先が傷みやすい。50〜70%程度の湿度を目安に、乾燥する季節は加湿器や葉水で補うとよい。

水はけと適度な保水性・有機質を兼ね備えた土が向く。詳しい配合レシピはカラテアの土おすすめ|配合レシピと植え替えで根腐れさせないコツを参照。

温度・肥料

生育適温は18〜28℃。10℃を下回ると生育が鈍化する。肥料は成長期に月1回程度の緩効性肥料を施す程度でよい。

よくあるトラブル

葉先が茶色くなる

原因: 空気の乾燥、または水道水中の塩素・フッ素。対処: 湿度対策を行い、気になる場合は汲み置き水・浄水に切り替える。

葉が丸まる

原因: 水切れ、乾燥、根詰まりのいずれか。対処: 水やりと湿度をまず見直し、改善しなければ根の状態を確認する。

根元が腐る・葉が黄色くしおれる

原因: 過湿による根腐れ。詳しくは根腐れの原因と復活方法も参照。対処: 鉢から抜いて傷んだ根を取り除き、乾いた新しい土に植え直す。

増やし方

カラテア属の他種と同様、根茎から群生する性質を利用した株分けで増やす。植え替え時に根鉢をほぐし、それぞれの株に十分な根が付くように分割する。

ペットとの暮らし

ASPCAの毒性植物データベースには本種が「Calathea Lancifolia」の名称で個別に掲載されており、犬・猫・馬に対して非毒性(Non-Toxic)に分類されている。カラテア属全体としても「プレーヤープランツ」の名称で非毒性とされており、ペットのいる家庭でも比較的安心して選べる観葉植物である。詳しくは猫に危険な観葉植物リストも参照してほしい。

まとめ

  1. カラテア・ランキフォリアは「インシグニス」という別名でも流通しており、これは同一種に2つの学名が使われてきた分類学上の経緯による。
  2. 現在の正式な学名は Goeppertia insignis だが、園芸の現場では「ランキフォリア」の名前が広く使われ続けている。
  3. カラテア属の中では比較的丈夫で、初めてカラテアに挑戦する人にもおすすめできる種である。
  4. ASPCAにより犬・猫・馬への非毒性が個別に確認されており、ペットのいる家庭でも選びやすい。

名前の由来を知ることで、園芸店で「ランキフォリア」「インシグニス」のどちらの名札を見かけても、同じ植物であると判断できるようになる。

→ 専用の土選びはカラテアの土おすすめ|配合レシピと植え替えで根腐れさせないコツで詳しく解説している。

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