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ハートカズラの育て方|葉が落ちる原因と対策
植物図鑑

ハートカズラの育て方|葉が落ちる原因と対策

by tokyoplants 編集部

ハート型の小さな葉が連なって垂れ下がる姿が人気のハートカズラ。丈夫で育てやすい多肉植物として知られますが、「気づいたら葉がポロポロ落ちていた」というトラブルに悩む人も少なくありません。この記事では、ハートカズラ(Ceropegia woodii)の基本的な育て方と、葉が落ちる原因の切り分け方・対策、増やし方までを解説します。

結論

  • ハートカズラの葉が落ちる原因は複数考えられるが、最も頻度が高いのは根詰まりと根腐れであり、次点で水切れ・急激な環境変化が挙げられる。
  • 多肉質の葉と、茎の途中や地際にできる塊茎(通称「豆」「ビーズ」)に水分を蓄える構造を持つため、過湿よりも「乾燥に強い」性質が際立つ植物であり、失敗の多くは水の与えすぎ側に偏る。
  • ASPCA(米国動物虐待防止協会)の毒性植物データベースでは猫・犬に対して非毒性(Non-Toxic)に分類されており、ペットのいる家庭でも選びやすいハンギング植物の一つ。

基本情報

項目 内容
学名 Ceropegia woodiiCeropegia linearis subsp. woodii として扱われることもある)
科名 キョウチクトウ科(Apocynaceae)
属名 セロペギア属(Ceropegia
原産地 南アフリカ、エスワティニ、ジンバブエ
生育型 常緑多年草(つる性・多肉質)
耐寒温度 10℃以上(生育適温18〜27℃)
流通名 ハートカズラ、セロペギア・ウッディー、文字通りの英名「string of hearts(ハートの紐)」

分類学的には、Ceropegia woodii は近縁種の Ceropegia linearis の亜種として Ceropegia linearis subsp. woodii に位置づけられるという見解もあるが、園芸・流通の現場では引き続き「Ceropegia woodii」の名称が広く使われている。本記事でも通称の学名を用いる。

特徴

ハート型の多肉質な葉と模様

長さ1〜2cm程度のハート型の葉が、細く垂れ下がるつる(茎)に対になって並ぶ。葉の表面には銀白色の斑模様が入り、裏面は赤紫色を帯びる。葉自体が多肉質で水分を蓄える構造を持つため、サボテンや他の多肉植物と同様に乾燥への耐性が高い。

茎や地際にできる塊茎(「豆」「ビーズ」)

株が成熟すると、つるの途中や地際に球形〜楕円形の小さな塊茎(芋)ができることがある。これは英語で「チューバー(tuber)」または見た目から「ビーズ(beads)」と呼ばれ、乾燥した環境を生き延びるための貯蔵器官としての役割を持つ。この塊茎は挿し木以外の増やし方(後述)にも利用できる、ハートカズラ特有の面白い特徴だ。

つる性で垂れ下がる草姿

原産地の南部アフリカでは、他の植物や岩の隙間から垂れ下がるように自生する着生・半着生的な性質を持つ。この生態がそのままハンギングバスケットや高い棚の上での栽培に適した草姿として活かされている。

名前の由来・来歴

属名の Ceropegia はギリシャ語で「蝋(ろう)」を意味する "keros" と「泉・噴水」を意味する "pege" の組み合わせで、独特な形状の花が蝋細工の噴水のように見えることに由来するとされる。種小名の woodii は、19〜20世紀に南アフリカ・ダーバン植物園の学芸員を務めたイギリス生まれの植物学者、ジョン・メドレー・ウッド(John Medley Wood)にちなんで命名された。和名の「ハートカズラ」は、ハート型の葉が蔓状に連なる姿をそのまま表現した名前だ。

育て方

明るい間接光〜やや直射日光が当たる環境を好む。光量が十分だと葉の模様がくっきりとし、株全体が締まって育つ。逆に光が不足すると茎が間延びし(徒長)、葉と葉の間隔が広がって間伸びした印象になる。

水やり

多肉質の葉と塊茎を持つため、過湿よりも乾燥側に管理するのが基本方針。 土の表面だけでなく、鉢の中まで乾いてから数日後に水を与えるくらいの間隔で問題ない。冬季(休眠期に近い時期)はさらに水やりの間隔を空ける。水のやりすぎは根腐れの最大の原因になる。

温度・湿度

生育適温は18〜27℃。10℃を下回ると生育が鈍くなる。湿度への要求は低く、一般的な室内の乾燥した空気でも問題なく育つ。多湿な環境はむしろ根腐れのリスクを高めるため避けたい。

水はけを最優先した土が向く。多肉植物・サボテン用の培養土や、観葉植物用の培養土に軽石やパーライトを2〜3割混ぜた配合が適している。保水性の高い土をそのまま使うと過湿になりやすいため注意する。

肥料

肥料の必要性は低い。成長期(5〜9月)に薄めた液体肥料を月1回程度、または緩効性肥料を年数回で十分。多肥は根を傷める原因になりやすいため控えめにする。

よくあるトラブル:葉が落ちる原因を見分ける

ハートカズラの葉が落ちる相談は多いが、原因はいくつかに分かれる。

原因 見分け方 対処法
根詰まり 長期間植え替えていない、鉢底から根がはみ出している 一回り大きな鉢に植え替える。植え替えの目安は鉢サイズと根張りの関係|大きすぎる鉢がNGな理由も参考に
根腐れ(過湿) 土が常に湿っている、茎の根元が黒ずむ・柔らかくなる、土から異臭がする 水やりを中止し鉢から取り出して根を確認。腐った根を除去し、排水性の高い土に植え替える
水切れ 土が完全に乾燥しきっている、葉にハリがなくしなびている 徐々に水を与えて様子を見る(一気に大量の水を与えると根が急変化に対応できないこともある)
環境の急激な変化 購入直後・置き場所を大きく変えた直後に発生 新しい環境に慣れるまで数週間は静観する

ハートカズラは多肉質の植物であるため、「葉が落ちる=水切れ」と決めつけて水を増やしてしまう対応が最も多い失敗パターンだ。実際には根詰まりや根腐れが原因であるケースが目立つため、まず鉢の中の状態(土の湿り気・根の様子)を確認することが優先される。根腐れの一般的な仕組みと回復手順は根腐れの原因と回復方法で詳しく解説している。

茎が間延びする(徒長)

光量不足が主な原因。より明るい場所に移動する。すでに伸びきった茎は元には戻らないため、切り戻して仕立て直すとよい。

猫・犬との暮らし

ハートカズラはASPCAの毒性植物データベースにおいて、猫・犬に対して非毒性(Non-Toxic)に分類されている。垂れ下がるつるに猫が興味を示して遊んでしまうことはあるが、毒性成分によるリスクは低いとされる植物だ。大量に食べた場合は毒性とは別に消化器への一時的な負担が生じる可能性はあるため、心配な場合は動物病院に相談するとよい。

増やし方

挿し木(水挿し・土挿し)

最も一般的な方法。つるを数節分(2〜3節、葉が2〜3組つく長さ)カットし、切り口を水に挿すか、湿らせた土に挿す。節の部分から発根しやすく、比較的成功率が高い。

塊茎(豆)を使う方法

つるにできた塊茎を、つるにつけたまま土の上に軽く乗せておくと、塊茎から根が伸びて新しい株として独立することがある。十分に発根したら親株からつるを切り離して独立させる。ハートカズラならではの、失敗の少ない増やし方として知られる。

まとめ

  • ハートカズラの葉落ちは根詰まり・根腐れが原因であることが多く、「水切れ」と決めつけず鉢内の状態確認が先決
  • 多肉質の葉と塊茎を持つため、水やりは乾燥気味を基本とする
  • 土は水はけを最優先し、過湿を避けることが根腐れ予防の鍵
  • ASPCAでは猫・犬に対して非毒性に分類されており、ペットのいる家庭でも選びやすい
  • 増やし方は挿し木のほか、塊茎(豆)を使った方法も成功率が高くおすすめ

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