カラテア属とは|人気品種・育て方・葉が丸まる原因と対処法
Contentsこの記事の内容6項目
カラテア属とは
カラテア属(Calathea)はクズウコン科に属する常緑多年草のグループで、約300種がブラジルを中心とした中南米の熱帯雨林に自生している。葉面に緑・白・クリーム・紫など複数の色彩が組み合わさった独特の模様を持ち、「リビングアート」とも称される観葉植物として世界中で人気が高い。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 科名 | クズウコン科(Marantaceae) |
| 属名 | カラテア属(Calathea) |
| 種数 | 約300種 |
| 原産地 | 中南米(主にブラジル・ペルー・コロンビア) |
| 生育型 | 常緑多年草(地生) |
| 耐寒温度 | 多くの種で10℃以上 |
カラテア属は夜間になると葉を垂直に立て上げる「就眠運動(nyctinasty)」を行うことでも知られる。この動きは葉柄の付け根にある「葉枕(pulvinus)」と呼ばれる関節状の組織が膨圧変化によって動くことで起こる。
Pick Up — この記事で使う用土
人気品種一覧
カラテア属は非常に多くの種・品種が流通している。以下は日本国内で入手しやすい代表的な品種をまとめた一覧である。
| 品種名 | 学名 | 葉の特徴 | 難易度 |
|---|---|---|---|
| オービフォリア | C. orbifolia | 丸い大型葉に銀緑色の縞模様 | 中級 |
| マコヤナ(クジャクカラテア) | C. makoyana | 葉面にクジャクの羽根模様・葉裏は紫 | 中級 |
| ゼブリナ | C. zebrina | 葉面にゼブラ状の濃緑縞・ビロード質 | 中級 |
| ランキフォリア | C. lancifolia | 細長い葉に濃緑の楕円斑点・葉裏は紫 | 初級 |
| ルフィバルバ | C. rufibarba | 細葉・葉裏が赤紫・葉縁が波打つ | 初〜中級 |
| ロゼオピクタ | C. roseopicta | 葉面にピンク〜白のリング模様・葉裏は紫 | 中〜上級 |
| フレディ | C. freddie | 明るい緑地に濃緑の縦縞・比較的丈夫 | 初級 |
| メダリオン | C. veitchiana 'Medallion' | 葉面にメダリオン状の模様・流通量が多い | 初〜中級 |
| ビューラックス(ホワイトスター) | C. majestica 'White Star' | 緑葉にクリーム〜ピンクの細い縞 | 中〜上級 |
| オルナータ | C. ornata | 濃緑葉に白〜ピンクのピンストライプ模様 | 中〜上級 |
初心者にはランキフォリア・フレディ・ルフィバルバが比較的育てやすい。オービフォリアは葉が大きく存在感があり人気が高いが、水道水の塩素に敏感なため、汲み置き水や浄水の使用が推奨される。
育て方の共通ポイント
光
カラテア属は熱帯雨林の林床に自生しているため、強い直射日光が苦手である。明るい日陰〜間接光(1,000〜3,000ルクス程度)が最適で、レースカーテン越しの柔らかな光が理想的な環境。直射日光に当てると葉焼けが起こり、美しい模様が褪色する。ただし光量が極端に不足すると葉の模様が薄くなり、成長も著しく鈍化する。
水やり
成長期(4〜10月)は土の表面が乾いたらたっぷりと水を与える。冬季は土が乾いてから2〜3日後を目安に水やりを控えめにする。カラテア属はフッ素や塩素に敏感な品種が多いため、水道水をそのまま使用すると葉先が茶色くなりやすい。可能であれば前日に汲み置いた水か、浄水を使用する。
湿度
カラテア属の栽培で最も重要な環境要素が湿度である。原産地の熱帯雨林は湿度70〜90%が常態であるため、日本の室内(特に冬の暖房時)の乾燥した空気は大きなストレスとなる。葉水(ミスト)を1日1〜2回行う、加湿器を近くに置く、トレーに水を張った砂利の上に鉢を置くなどの方法で湿度を補う。
温度
生育適温は18〜30℃。10℃を下回ると生育が極端に鈍くなり、5℃以下では株が傷むリスクがある。冬季は窓際の冷気を避け、暖かい室内の定位置に置く。エアコンの冷風・温風が直接当たる場所も葉を傷めるため避ける。
土
水はけがよく適度な保水性を持つ土が理想。市販の観葉植物の土に赤玉土・パーライトを2〜3割混合すると排水性が上がり、根腐れを防ぎやすくなる。腐植を含み微生物が豊富な環境を好むため、完全な無機質配合より有機質を含む配合のほうが安定して育つことが多い。具体的な配合レシピはカラテアの土おすすめ|配合レシピと植え替えで根腐れさせないコツで詳しく解説している。
肥料
成長期(5〜9月)に月1回程度の緩効性化成肥料、または2週間に1回の薄い液体肥料を施す。肥料過多は葉焼けや根傷みの原因になるため、規定量の半分程度から始めるのが安全。冬季は施肥を止める。
植え替え
根詰まりすると葉の展開が滞り、トラブルが増えやすくなる。1〜2年に1回を目安に、一回り大きな鉢に植え替える。適期は5〜6月の生育旺盛な時期。根はデリケートなため、できるだけ傷つけないよう丁寧に扱う。
よくあるトラブルと対処法
葉が丸まる
カラテア属の栽培で最も多く見られるトラブルが「葉の巻き」である。葉が内側にくるくると丸まる場合、以下の原因が考えられる。
| 原因 | 対処法 |
|---|---|
| 水不足 | 土の乾燥を確認し、すぐに水を与える |
| 空気の乾燥(低湿度) | 葉水・加湿器で湿度を上げる |
| 根詰まり | 一回り大きな鉢に植え替える |
| 冷気・エアコンの直風 | 置き場所を変える |
| 根腐れによる水分吸収不全 | 株を抜いて根を確認し、腐った部分を除去 |
葉が巻いている場合、まず水やりと湿度を確認する。水を与えた後・葉水の後に葉が開いてくるようであれば乾燥が原因である可能性が高い。改善が見られない場合は根の状態を確認する。
葉先が茶色くなる
空気の乾燥と水道水のフッ素・塩素が主な原因。葉先が茶色く枯れてきた場合は、湿度対策を強化するとともに、汲み置き水や浄水器を通した水への切り替えを検討する。すでに枯れた部分は回復しないが、清潔なはさみで自然な弧を描くようにカットすれば見た目を整えられる。
葉が黄色くなる
過湿(根腐れ)または強い直射日光が最も多い原因。土の状態を確認し、根腐れが疑われる場合は株を取り出して根を点検する。古い下葉が1〜2枚ずつ自然に黄変するのは正常な新陳代謝であるため、頻繁でなければ過度に心配する必要はない。
カラテアとマランタ・ストロマンテの違い
クズウコン科(Marantaceae)の観葉植物は外観が似ており、流通名や学名が混同されやすい。以下は代表的な3属の相違点である。
| 項目 | カラテア属 | マランタ属 | ストロマンテ属 |
|---|---|---|---|
| 学名 | Calathea | Maranta | Stromanthe |
| 草丈 | 大型〜中型が多い | 比較的小型 | 中〜大型 |
| 葉形 | 楕円形〜卵形が多い | 楕円形・先が尖る | 細長い楕円形 |
| 葉の模様 | 豊富・複雑な模様 | 模様あり(やや単純) | 葉裏が鮮やかな赤紫 |
| 丈夫さ | デリケートな種が多い | 比較的丈夫 | 中程度 |
| 就眠運動 | あり | あり(よく動く) | あり |
近年の分類見直しにより、多くのカラテア属の種がゴエピンギア属(Goeppertia)に移されているが、流通上は引き続き「カラテア」という名称が広く使われている。マランタ・ロイコネウラ(ウラベニマランタ)はマランタ属の代表種で、葉の動きが特に活発なことから「プレイヤープラント(祈る植物)」の愛称がある。
まとめ
- カラテア属はクズウコン科の常緑多年草で、約300種が中南米の熱帯雨林に自生
- 葉面の美しい模様と就眠運動が最大の特徴
- 初心者向けにはランキフォリア・フレディ・ルフィバルバがおすすめ
- 育成の最重要ポイントは「高湿度の維持」と「直射日光を避けること」
- 葉が丸まる原因は水不足・乾燥・根詰まり・根腐れが多い
- 水道水よりも汲み置き水・浄水を使うと葉先の褐変を防ぎやすい
- マランタ・ストロマンテと外観が似るが、葉の大きさ・模様の複雑さ・丈夫さで区別できる
この記事を書いた人

Masashi Matsubuchi / tokyoplants
tokyoplants オーナー
東京・世田谷を拠点とする希少観葉植物専門店「tokyoplants」オーナー。自ら海外へ足を運んで一点ずつ厳選した株を買い付け、年間800株以上を自身の手で育てて販売しています。
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