tokyoplants
アグラオネマの種類一覧|品種カタログ
植物図鑑

アグラオネマの種類一覧|品種カタログ

by Masashi Matsubuchi
Contentsこの記事の内容9項目
  1. 1結論
  2. 2「原種」と「園芸品種」は別のもの
  3. 3系統で3つに分けると選びやすい
  4. 4tokyoplantsで扱っている3品種
  5. 5国内で見かける主な品種
  6. 6系統別の選び方
  7. 7よくある質問
  8. 8まとめ
  9. 9参考にした情報源

アグラオネマを探しはじめると、「シルバークイーン」「ロータスディライト」「ピクタム トリカラー」といった名前が入り乱れていて、何がどう違うのか掴みにくいはずです。価格も1,000円台から数万円まで開きがあります。実はこの混乱には理由があって、アグラオネマの名前には「学名(種)」と「園芸品種名」という性質の違う2種類が混在しているからです。この記事では、そこを整理したうえで、国内で手に入る品種を系統ごとにカタログ化します。

At a glance30秒でわかるアグラオネマの品種
原種
Kewの分類データで受理されている種はごく少数
流通名
店頭の名前の大半は園芸品種名で学名ではない
3系統
クラシック系/タイカラー系/ピクタム系
光
赤・ピンク系ほど明るさが要る。緑・シルバーは暗所可
価格
量産品は2,000〜5,000円、原種の一点物は数万円
表記
園芸品種は Aglaonema 'Silver Queen' のように書く

結論

  1. 店で見る名前のほとんどは学名ではなく園芸品種名。「ロータスディライト」「スターダストオレンジ」「オースピシャスレッド」などはすべて品種名で、対応するラテン語の種名を持ちません。これは誤りではなく、園芸品種の正しい扱い方です。
  2. 選ぶときは品種名より「系統」で考えるほうが早い。クラシック系(緑・シルバー)・タイカラー系(赤・ピンク・オレンジ)・ピクタム系(原種)の3つで、必要な光量と湿度がはっきり変わります。
  3. 原種ピクタムだけは別枠。同じ属とは思えないほど湿度要求が高く、価格帯も一桁変わります。最初の1株には向きません。

「原種」と「園芸品種」は別のもの

名前の書き方で見分けられる

植物の名前は、ラテン語の学名(種)と、人が選抜・交配して付けた園芸品種名(カルチバー名)で、書き方のルールが違います。

種類 表記のルール 例
学名(種) 属名+種小名をイタリック、命名者を添える Aglaonema pictum (Roxb.) Kunth
園芸品種名 属名のあとに一重引用符で囲み、イタリックにしない Aglaonema 'Silver Queen'
流通名・商品名 ルールなし。店ごとに揺れる 「アグラオネマ ビューティー」など

「ロータスディライト」「スターダストオレンジ」に学名がないのは、情報が不足しているからではなく、交配や選抜で生まれた園芸品種だからです。園芸品種は国際栽培植物命名規約(ICNCP)に沿って一重引用符つきの品種名で呼ぶのが正しく、無理にラテン語の種名を当てはめる必要はありません。

クロ
クロ土・植え替え担当POINT

「学名がない=由来が怪しい」ではない。むしろ赤やピンクの品種は複数の原種を掛け合わせて作られているから、どれか1つの種名を当てはめるほうが不正確になるんだ。

tokyoplants公式アプリキャラクター

アグラオネマ属の原種

アグラオネマ属(Aglaonema Schott, 1829年記載)の原種のうち、観葉植物として名前を見かける主なものを整理しました。学名・命名者・分布は、Kewの World Checklist of Vascular Plants(WCVP)のデータを掲載する World Flora Online と、Kewの国際植物名索引(IPNI)で2026年10月22日に確認した内容です。

学名 初出 自生地(原産) 観葉植物としての位置づけ
Aglaonema pictum (Roxb.) Kunth Enum. Pl. 3: 55 (1841) スマトラ島 「ピクタム」「トリカラー」の名で流通する原種
Aglaonema commutatum Schott Syn. Aroid.: 123 (1856) フィリピン、スラウェシ島 シルバー系の交配親として知られる
Aglaonema nitidum (Jack) Kunth Enum. Pl. 3: 56 (1841) ミャンマー〜インドシナ、ボルネオ、ジャワ、マレー半島、スマトラ島 交配親として用いられる
Aglaonema costatum N.E.Br. Gard. Chron., ser. 3, 11 (1892) インドシナ、マレー半島、バングラデシュ 「コスタツム」名で原種として流通
Aglaonema modestum Schott ex Engl. Monogr. Phan. 2: 44 (1879) 中国南部〜インドシナ 英名 Chinese Evergreen の由来になった種

系統で3つに分けると選びやすい

品種名を一つずつ覚えるより、系統で把握したほうが管理も買い物も早くなります。必要な環境が変わるのは光と湿度の2項目だけで、温度・用土・施肥は共通です。

クラシック系

  • 葉色: 緑・シルバー
  • 光: 室内照明のみでも可
  • 湿度: 50〜70%
  • 価格帯: 4号で3,000〜4,000円
  • 代表: シルバークイーン、マリア

タイカラー系

  • 葉色: 赤・ピンク・オレンジ
  • 光: 明るい間接光が必要
  • 湿度: 50〜70%
  • 価格帯: 4号で2,000〜5,000円
  • 代表: ロータスディライト

ピクタム系

  • 葉色: 迷彩柄(深緑〜銀)
  • 光: 明るい間接光
  • 湿度: 60〜80%
  • 価格帯: 5,000円〜数万円
  • 代表: ピクタム、同トリカラー
シャディ
シャディ植物のお世話係TIP

買う前に「置きたい場所の明るさ」を決めておくと迷わないよ。レースカーテン越しの窓辺が用意できないなら、赤やピンクの品種は色が抜けていくから、クラシック系を選んだほうが結果的に満足できる。

tokyoplants公式アプリキャラクター

tokyoplantsで扱っている3品種

ピクタム トリカラー

  • 系統: 原種ピクタム系
  • 柄: 深緑・中緑・銀の迷彩。株ごとに異なる
  • 難易度: ★★★☆☆(湿度管理)
  • 詳細: 図鑑ページ

ロータスディライト

  • 系統: タイカラー系
  • 柄: 葉全体がピンク〜ライトレッド
  • 難易度: ★★☆☆☆
  • 詳細: 図鑑ページ

スターダストオレンジ

  • 系統: タイカラー系
  • 柄: 濃緑地にオレンジ〜赤の斑点が散る
  • 難易度: ★★☆☆☆
  • 詳細: 図鑑ページ

3品種とも一点ものとして扱われるため、同じ品種名でも柄の出方と株の大きさで価格が変わります。実際の価格レンジはアグラオネマの価格相場で整理しました。


国内で見かける主な品種

2026年10月時点で国内の通販・園芸店で名前を確認できる品種を、系統別にまとめました。流通名は店によって揺れがあり、同じ柄が別名で売られていることもあります。気に入った株があれば、名前よりも現物の柄を基準に選ぶのが確実です。

クラシック系(緑・シルバー)

品種名 葉の特徴 備考
シルバークイーン('Silver Queen') 細長い葉に銀灰色の斑が広く入る 最も入手しやすい定番。3〜8号まで流通
シルバーベイ('Silver Bay') 幅広の葉、中央が灰緑 米フロリダ大学の育種プログラム由来の交配品種
マリア('Maria') 濃緑に銀緑の羽状斑。コンパクト 耐陰性が高くテーブルサイズ向き
スノーホワイト 白斑の面積が大きい 明るい柄のぶん光量不足で緑に寄りやすい
シルバーコスメティック 銀の面積が広い中型 流通量は中程度

タイカラー系(赤・ピンク・オレンジ)

品種名 葉の特徴 備考
ロータスディライト 葉全体がピンク〜ライトレッド 発色の鮮やかさが突出する
スターダストオレンジ 濃緑地にオレンジの斑点 斑点の密度と大きさに個体差が大きい
オースピシャスレッド('Auspicious Red') 中肋と葉脈が赤く走る 4号で2,000円前後と手が届きやすい
チャイナレッド 赤の面積が広い 流通名で、店により柄が違う場合がある
レッドアーミー 濃い赤褐色 希少扱いで価格は高め
ウィザードレッド 赤〜ピンクの強い発色 小苗でも価格が高い
アンヤマニー('Anyamanee')系 ピンクの迷彩柄 タイ育成の人気系統
サイアムオーロラ系 緑地に赤い葉縁 「サイアム〜」はタイ由来の系統名

原種ピクタム系

名称 内容 備考
ピクタム A. pictum の実生・選抜株 「アチェ産」など産地名が付くことが多い
ピクタム トリカラー ピクタムのうち3色の濃淡が明瞭な個体 一点ものとして取引され価格の幅が大きい
ピクタム バイカラー 2色に見えるタイプ トリカラーと同じ種のなかの呼び分け
ピクタム F1 選抜個体同士の交配第一世代 コレクター向けで最高価格帯

系統別の選び方

Steps自分に合う品種の決め方
  1. 1
    置き場所の明るさを確認する
    レースカーテン越しの窓辺を用意できるかどうかで、タイカラー系が選べるかが決まる
  2. 2
    冬の最低温度を確認する
    どの系統も15℃以上が安全圏。窓際は夜間に10℃近くまで落ちることがある
  3. 3
    加湿ができるかを確認する
    ピクタム系は60〜80%を要求する。加湿器やガラスケースが用意できないなら避ける
  4. 4
    柄は写真でなく現物で選ぶ
    同じ品種名でも株ごとに柄が違う。特に一点もの扱いの品種は顕著
  5. 5
    サイズを決める
    3〜4号は卓上、6号以上は床置き。鉢が大きいほど土が乾きにくい点に注意
クロ
クロ土・植え替え担当TIP

株を選ぶときは葉だけでなく株元を見て。茎がぐらつく株、下葉が落ちて茎だけ長く伸びている株は、前の環境で光が足りていなかったサイン。買ってから間延びが直るまで時間がかかる。

tokyoplants公式アプリキャラクター

よくある質問

一番育てやすい品種はどれですか?

シルバークイーンかマリアです。どちらもクラシック系で耐陰性が高く、室内照明だけの場所でも維持できます。流通量が多いので価格も安定しています。

「コンムタツム」「コスタツム」と書かれた株は原種ですか?

それぞれ Aglaonema commutatum、Aglaonema costatum のカタカナ読みで、原種として売られているものです。ただし園芸店では交配品種にも種名が添えられていることがあるため、原種にこだわる場合は産地や由来の記載を確認してください。

斑入りと迷彩柄は何が違うのですか?

一般的な斑入りは葉緑体を欠いた部分が白や黄になる現象ですが、ピクタムの迷彩柄は葉肉細胞ごとの葉緑体の密度差によって生じる濃淡です。仕組みが違うため、ピクタムの柄は斑入り植物のように「斑が消える」挙動をしません。

品種名がわからない株を買ってしまいました

アグラオネマは柄の似た品種が多く、写真だけの同定は専門家でも難しい領域です。系統(緑・シルバー系か、赤・ピンク系か、迷彩柄か)さえ判別できれば管理方法は決まるので、実用上はそれで十分です。


まとめ

  • アグラオネマの名前は「学名(原種)」と「園芸品種名」が混在する。店頭の名前の大半は後者
  • Kewの分類データで確認できる主な原種は pictum・commutatum・nitidum・costatum・modestum
  • 「ピクタム トリカラー」は独立した分類群ではなく、A. pictum のなかの柄のタイプ
  • 選ぶときは品種名よりクラシック系/タイカラー系/ピクタム系の3系統で考える
  • 変わるのは光と湿度だけ。温度・用土・施肥は系統を問わず共通

属そのものの解説はアグラオネマ属とは、日々の管理はアグラオネマの育て方にまとめています。


参考にした情報源

  • World Flora Online(Kew の World Checklist of Vascular Plants のデータを掲載), Aglaonema pictum (Roxb.) Kunth ほか https://www.worldfloraonline.org/taxon/wfo-0000924326(アクセス日: 2026-10-22)
  • International Plant Names Index(IPNI, Royal Botanic Gardens Kew ほか運営), Aglaonema の学名・命名者・初出文献 https://www.ipni.org/(アクセス日: 2026-10-22)
  • Chen, J. and T. A. Mellich, "Tropical Foliage Plant Development: Breeding Techniques for Aglaonema and Dieffenbachia", UF/IFAS Extension EDIS EP382 https://edis.ifas.ufl.edu/publication/EP382(アクセス日: 2026-10-22)

この記事を書いた人

Masashi Matsubuchi

Masashi Matsubuchi / tokyoplants

tokyoplants オーナー

東京・世田谷を拠点とする希少観葉植物専門店「tokyoplants」オーナー。自ら海外へ足を運んで一点ずつ厳選した株を買い付け、年間800株以上を自身の手で育てて販売しています。

プロフィールを見る →

tokyoplants で購入する

ショップを見る →

Next Read

読了後におすすめの記事

tokyoplants Shop

tokyoplants で購入する

ショップを見る →

Instagram で最新情報をチェック

入荷情報・育て方のコツを発信中

@tokyoplants.jp

関連記事

Popular

よく読まれている記事

tokyoplants MEDIAでいま読まれている記事です。

植物図鑑の他の記事