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植物テラリウムの作り方|容器選びと植え込み
育て方ガイド

植物テラリウムの作り方|容器選びと植え込み

by Masashi Matsubuchi
Contentsこの記事の内容8項目
  1. 1結論:テラリウムは「排水層つきの鉢」として設計する
  2. 2ステップ1:容器を選ぶ
  3. 3ステップ2:材料を揃える
  4. 4ステップ3:層を作る
  5. 5ステップ4:植え込む
  6. 6ステップ5:最初の2週間の管理
  7. 7よくある失敗例
  8. 8まとめ

「ガラス瓶の中で植物を育ててみたいけれど、何から揃えればいいのかわからない」——テラリウムは材料が少なく、実は1時間ほどで形になります。難しいのは作ることではなく、作ったあとに崩れない構造にしておくことです。

この記事では、容器の選び方から層のつくり方、植え込みの手順、そして最初の2週間の管理までを順を追って解説します。

At a glance作る前に押さえる5つ
容器
幅20cm以上。小さいほど温度・湿度が暴れる
排水穴
ない。だから排水層で代用する
層の順番
排水層 → 仕切り → 植栽層
植える数
容器の床面積の半分以下から始める
最初の1週間
毎日フタを開けて結露の量を見る

結論:テラリウムは「排水層つきの鉢」として設計する

テラリウムで最も多い失敗は根腐れとカビです。原因はどちらも同じで、底に溜まった水が抜けないことにあります。

ガラス容器には排水穴がありません。そこで、鉢底石を敷くのと同じ発想で、容器の底に水が逃げる空間(排水層)を作り、その上に植物の根が張る層(植栽層)を重ねます。この2層を分離できていれば、テラリウムの管理は一気に簡単になります。

Stepsテラリウム作りの全体像
  1. 1
    容器を決める
    密閉型・半密閉型・開放型のどれにするかを先に決める
  2. 2
    植物を決める
    容器のサイズに対して将来大きくなりすぎない種を選ぶ
  3. 3
    層を作る
    排水層 → 仕切り → 植栽層の順に入れる
  4. 4
    植え込む
    背の高いものを奥、低いものを手前に配置する
  5. 5
    仕上げる
    化粧用の砂や苔で土の表面を覆い、葉についた土を払う
  6. 6
    初期管理をする
    最初の2週間は結露の量を見ながら換気を調整する

ステップ1:容器を選ぶ

容器のタイプによって、育てられる植物も管理の手間もまったく変わります。

密閉型(フタ付き)

  • 湿度: 80〜95%
  • 水やり: 月1回程度
  • 向く植物: 苔、フィットニア、小型シダ、着生ラン
  • 注意: カビのリスクが最も高い。定期換気が必須

半密閉型(隙間あり)

  • 湿度: 60〜80%
  • 水やり: 2週間に1回程度
  • 向く植物: 多湿を好む観葉植物のほぼ全般
  • 注意: 最もバランスが良く、初心者向き

開放型(フタなし)

  • 湿度: 50〜60%
  • 水やり: 週1回程度
  • 向く植物: ペペロミア、多肉質の葉をもつ種
  • 注意: 湿度は上がらない。見た目重視の構成向き

サイズは「幅20cm以上」を目安に

直径10cm前後の小瓶は人気ですが、内部の空気量が少ないぶん、室温や日射の影響をそのまま受けます。朝は適温でも、日が差せば昼には蒸れるという振れ幅が出ます。安定して管理したいなら、幅20cm以上・高さ20cm以上を目安にしてください。

口の広さを確認する

口が狭い容器は、見た目は美しいのですが植え込みが極端に難しくなります。ピンセットが入る幅(最低でも7〜8cm)があるかどうかを、買う前に必ず確認してください。

シャディ
シャディ植物のお世話係TIP

容器を選ぶときは「光がどう入るか」も見てね。色つきガラスや厚いカット装飾があると、思っているより内部は暗くなるよ。透明なものを選んで、照明は別に足すのが結局いちばん安定するんだ。

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ステップ2:材料を揃える

材料 用途 量の目安
軽石(小粒)またはハイドロボール 排水層 容器の高さの1/5〜1/4
鉢底ネット・ウールマット 層の仕切り 容器の底面サイズ
植栽用の土 植栽層 容器の高さの1/4〜1/3
化粧砂・苔・バークチップ 表面の仕上げ 薄く覆える量
植物 主役 床面積の半分以下
流木・石 レイアウト 任意

植栽層に何を使うか

密閉型では有機物が多い土ほどカビが出やすくなるため、軽石・溶岩石・ゼオライトなどの無機質を主体にし、水苔を少量混ぜる構成が無難です。

半密閉型・開放型であれば、水はけの良い培養土が使えます。tokyoplants のI'm original SOIL(tokyoplantsプレミアム培養土)は、ココチップ・日向石・蘭の発酵樹皮を中心に6種の天然素材を配合した化学肥料不使用の培養土で、元肥入りのため植え込み直後の施肥がいりません。2Lサイズであればテラリウム数個分に足ります。密閉型に使う場合は、軽石やパーライトを3〜4割追加して有機分の割合を下げてください。

層構造の考え方をもっと詰めたい場合はパルダリウムの用土と底床|排水層の作り方、鉢底石そのものの選び方は鉢底石の選び方と使い方を参照してください。


ステップ3:層を作る

Steps底から順に入れる
  1. 1
    容器を洗って乾かす
    内側の油分や指紋はカビの起点になる。中性洗剤で洗い完全に乾かす
  2. 2
    排水層を入れる
    軽石またはハイドロボールを容器の高さの1/5〜1/4まで。水洗いして微塵を落としてから入れる
  3. 3
    仕切りを置く
    鉢底ネットかウールマットを排水層の上に敷く。上の土が落ちて排水層を埋めるのを防ぐ
  4. 4
    植栽層を入れる
    土を高さの1/4〜1/3まで。奥を高く、手前を低く傾斜をつけると奥行きが出る
  5. 5
    軽く湿らせる
    霧吹きで土が「しっとり」する程度まで。この時点で水が溜まるのは入れすぎ
クロ
クロ土・植え替え担当POINT

仕切りを省く人が多いけど、ここが一番効く。土が排水層に落ちて隙間を埋めると、排水層はただの泥だまりになる。ネット1枚でその寿命が何年も変わる。

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活性炭は入れたほうがいいのか

テラリウムの作り方では「排水層の上に活性炭を入れる」と説明されることがよくあります。これは閉じた容器内の臭いや有機物の分解生成物を吸着させる目的の工夫で、入れて害はありません。ただし活性炭の吸着能力は有限で、交換もできないため、これがあればカビが出ないという性質のものではありません。換気と有機物量の管理のほうが、実質的な効果ははるかに大きくなります。


ステップ4:植え込む

  1. ポットから抜き、古い土を落とす:土を多く持ち込むほど、容器内に有機物と菌の持ち込みが増えます。根を傷めない範囲でできるだけ落とします
  2. 根が長ければ整える:容器の深さに合わせて、傷んだ根を清潔なハサミで切ります
  3. 奥から順に植える:背の高い植物を奥、匍匐するものを手前に。ピンセットで根を土に差し込み、周囲の土を軽く押さえます
  4. 余白を残す:完成直後に「少しさみしい」くらいで正解です。植物は数ヶ月で2倍近くに広がります
  5. 葉についた土を払う:筆や霧吹きで葉面を清掃します。葉に土が残るとそこからカビやすくなります

ステップ5:最初の2週間の管理

作った直後がいちばん崩れやすい時期です。ここを乗り切れば、あとは安定します。

Numbers初期管理の目安
1日1回
最初の1週間のフタ開け
10〜15分ほど開けて空気を入れ替える
週1〜2回
2週目以降の換気
密閉型でも最低この頻度は確保する
1/3
結露が許容できる範囲
ガラス面の1/3以上が曇り続けるなら湿度過剰

結露の量で湿度を判断する

密閉型テラリウムの状態は、温湿度計がなくてもガラス面の結露で読めます。

  • 結露がまったく出ない:乾燥しすぎ。霧吹きを足す
  • 朝だけ曇り、昼には消える:ちょうどよい
  • 一日中水滴が流れている:過湿。フタを開ける時間を増やし、水の追加を止める

置き場所

直射日光の当たらない明るい場所に置きます。ガラス容器は温室と同じ構造なので、直射が当たると内部温度は外気より大きく上がります。光が足りない場合は、窓辺に移すのではなく植物育成LEDを足してください。

シャディ
シャディ植物のお世話係WARNING

「明るい窓辺に置けば光も湿度も両立できる」と思いがちだけど、ガラス容器では逆なんだ。日が差した瞬間に中が蒸し風呂になるから、置き場所は日陰、光は照明で、と分けて考えてね。

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よくある失敗例

排水層まで水を入れてしまう

霧吹きではなくジョウロで水をかけると、一気に排水層が水没します。排水層が水で満たされると、植栽層の下端が常に水に浸かり、根が酸欠になります。水は霧吹きか、スポイトで少量ずつ与えるのが基本です。溜まりすぎたらスポイトで吸い出します。

フタを閉めっぱなしにする

密閉型でも換気はいります。閉じたままにすると、ガラス面や土の表面に白い菌糸が広がり、やがて植物の茎に回ります。対処法は密閉テラリウムのカビ対策|換気と湿度管理にまとめました。

肥料を与えすぎる

容器内では水が外に抜けないため、与えた肥料成分は蓄積し続けます。元肥入りの培養土を使ったなら、最初の2〜3か月は追肥不要です(植え替え後の水やりと肥料参照)。密閉容器では成分が流出しないぶん効きが長引くこともあるため、葉色を見て判断してください。与える場合も、規定倍率よりさらに薄めた液肥を月1回程度に留めてください。

乾燥に強い植物を入れてしまう

多肉植物やサンセベリアをテラリウムに入れる構成は見た目に映えますが、密閉型では確実に腐ります。これらを使うなら開放型一択です。多湿に耐える種の選び方はテラリウム向き観葉植物10選|小型で多湿に強いを参照してください。


まとめ

  • テラリウムは「排水穴のない鉢」。排水層・仕切り・植栽層の3層構造にすれば根腐れを防げる
  • 容器は幅20cm以上、口は7〜8cm以上。小さい容器ほど温度と湿度が暴れる
  • 密閉型なら無機質主体、半密閉・開放型なら水はけの良い培養土が使える
  • 植物は床面積の半分以下から。詰め込みがすべてのトラブルの入口になる
  • 最初の1週間は毎日フタを開け、結露の量で湿度を読む

水場を加えて立体的なレイアウトに進みたくなったら、パルダリウムとテラリウムの違い|設備と選び方で設備の全体像を確認してください。

この記事を書いた人

Masashi Matsubuchi

Masashi Matsubuchi / tokyoplants

tokyoplants オーナー

東京・世田谷を拠点とする希少観葉植物専門店「tokyoplants」オーナー。自ら海外へ足を運んで一点ずつ厳選した株を買い付け、年間800株以上を自身の手で育てて販売しています。

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