tokyoplants
ホヤ属(サクララン)とは|主な品種・育て方・特徴を解説
植物図鑑

ホヤ属(サクララン)とは|主な品種・育て方・特徴を解説

by tokyoplants 編集部

ホヤ属とは

ホヤ属(Hoya)はキョウチクトウ科に属する常緑のつる性・着生植物のグループで、約200〜300種が東南アジアからオセアニアを中心とした熱帯・亜熱帯地域に自生している。蝋細工のような質感の花(ワックスフラワー)と、多肉質の肉厚な葉が特徴。品種数の多さ、花の美しさ、つるを伸ばして飾る楽しみから、世界的にコレクター人気が極めて高い属である。

項目 内容
科名 キョウチクトウ科(Apocynaceae)
属名 ホヤ属(Hoya
種数 約200〜300種
原産地 東南アジア、オセアニア、インド
生育型 常緑つる性・着生植物
耐寒温度 多くの種で10℃以上

属の特徴

ワックスフラワー

ホヤの花は属全体の共通した魅力で、星型の小さな花が球状に集まって咲く。花弁は蝋(ワックス)のような光沢と質感を持ち、「ワックスフラワー」「ワックスプラント」の別名の由来となっている。花色は白・ピンク・赤・黄など種によって異なり、多くの種で甘い芳香を放つ。花は蜜を分泌し、水滴のように花から垂れることがある。

花柄を切らない

ホヤの花は「ペダンクル」と呼ばれる花柄(かへい)から繰り返し咲く。花が終わっても花柄を切除してはならない。同じ花柄から翌年以降も花を付けるため、切ると開花の機会を失う。

多肉質の葉

多くの種が厚みのある多肉質の葉を持ち、水分を蓄える。この性質により乾燥にはかなり強い一方、過湿には弱い。葉の形態は種によって多様で、ハート型、楕円形、細長い剣状、丸いコイン状、歪んだカップ状など、コレクションの楽しみが尽きない。

つる性の成長

着生植物として他の樹木に巻き付きながら成長する。室内ではハンギングで垂らすか、支柱やフレームに絡ませて管理する。つるの成長は比較的ゆっくりだが、環境に慣れると旺盛に伸びる。


学名の由来と歴史

属名 Hoya はイギリスの園芸家Thomas Hoy(1750頃〜1822)に献名されたもの。スコットランドの植物学者Robert Brownが1810年に記載した。

和名「サクララン」は代表種 H. carnosa の和名で、桜に似たピンクの花を咲かせることに由来する。日本では昭和期から H. carnosa が「サクララン」として広く栽培されてきたが、近年のコレクターブームで数百品種が輸入・流通するようになり、属全体への関心が急速に高まっている。


主な品種一覧

カルノーサ(H. carnosa

最も普及している古典的品種。肉厚の楕円形の葉と、ピンク〜白の星型の花が特徴。「サクララン」の和名で知られる。丈夫で開花しやすく、入門種として最適。'Compacta'(葉が縮れるヒンドゥーロープ)、'Krimson Queen'(白斑入り)、'Krimson Princess'(中斑入り)などの品種がある。

ケリー(H. kerrii

ハート型の厚い葉が特徴。バレンタインデーのギフトとして葉1枚挿しが売られることが多い(ただし葉だけでは株にならないケースが多い)。つる付きの株は成長するとハート型の葉が連なり、愛らしい姿になる。

オブスクラ(H. obscura

濃緑の葉に明るい葉脈がネットワーク状に浮き出る。葉の裏面は赤みを帯びる。丈夫で成長が速く、ハンギングに適する。

リネアリス(H. linearis

他のホヤとは全く異なる細長い棒状の葉を持つ。ヒマラヤ原産で、垂れ下がるつるにソフトな質感の細い葉が並ぶ姿が独特。白い花を咲かせ、甘い香りを放つ。やや冷涼な環境を好む。

プビカリクス(H. pubicalyx

カルノーサに似るが、葉にシルバーの斑点(スプラッシュ)が入る品種が多い。花はダークレッド〜ピンクで、開花しやすい。'Royal Hawaiian Purple'、'Pink Silver'などの選抜品種がある。丈夫で初心者向け。

カーティシー(H. curtisii

小さなスペード型の葉にシルバーの斑が入るミニチュアホヤ。葉の裏面は紫がかる。成長は遅いが、密に茂ると美しい。テラリウムやミニハンギングに適する。

インブリカータ(H. imbricata

葉が1枚ずつ樹木の幹に密着して成長するシングリング(瓦重ね)型のホヤ。板付けにして立体的に飾ると、独特のフォルムが楽しめる。


育て方の共通ポイント

明るい間接光が最適。光量が足りないとつるは伸びるが花が咲かない。開花には十分な光量が必要で、東〜南向きの窓辺が理想的。直射日光は葉焼けの原因になるため、レースカーテン越しが安全。

温度

生育適温は20〜28℃。多くの種で10℃を下回ると成長が停止する。ただし、カルノーサなど一部の種は開花に冬季の低温(10〜15℃、4〜6週間程度)を経験する必要がある場合がある。

水やり

多肉質の葉に水分を蓄えるため、乾燥に強い。土が完全に乾いてから与える。「迷ったら待つ」がホヤの水やりの鉄則。過湿は根腐れに直結する。冬季はさらに控え、月2〜3回程度に。

湿度

50〜70%を好む。一般的な室内環境でも育つが、高湿度で葉のツヤと成長が改善する。細葉種(リネアリスなど)は乾燥に弱いためやや注意。

排水性を重視した配合が必須。着生植物のため根の通気性が重要。バークチップ、パーライト、鹿沼土をベースにした粗い配合や、ラン用の用土でも栽培できる。一般的な観葉植物用土にパーライトを3割追加する方法が手軽。

肥料

成長期に月1回の液肥、またはリン酸を含む肥料で開花を促す。肥料要求量は低めなので、規定量の半分程度が安全。冬季は不要。

植え替え

根の成長が遅いため、2〜3年に1回で十分。鉢はやや小さめが適しており、根がある程度回った状態の方が開花しやすい。5〜6月が適期。


よくあるトラブル

花が咲かない

最も多い質問。原因は光量不足、株の若さ、鉢が大きすぎる、花柄を切ってしまったなど。十分な間接光を確保し、根をやや窮屈にし、花柄を残す管理を続けると、成熟した株は開花する。種によって開花までの期間は異なり、数年かかることもある。

葉が黄色くなる

過湿による根腐れが最も多い原因。次に日照不足。自然な古葉の黄変は問題ない。

つるの先端が枯れる

つるの先端の成長点が低温や物理的ダメージで枯れることがある。枯れた先端の下から側枝が出るので、大きな問題にはならない。

葉がしわしわになる

深刻な水不足のサイン。多肉質の葉が蓄えた水分を使い果たした状態。たっぷり水やりすれば数日で回復する。ただし根腐れで根が機能していない場合は水やりしても回復しないため、根の状態を確認する。

根腐れ

通気性の低い土、過剰な水やり、排水の悪い鉢が原因。茎の基部が黒くなり、引っ張ると根が崩れる。健全なつるを切り取り、挿し木か水挿しで救出する。


まとめ

  • ホヤ属はキョウチクトウ科のつる性着生植物で、約200〜300種が東南アジアを中心に自生
  • 蝋質の花(ワックスフラワー)と多肉質の多様な葉が最大の魅力
  • 花柄は絶対に切らない。同じ花柄から繰り返し咲く
  • 乾燥に強く過湿に弱い。水やりは「完全に乾いてから」が鉄則
  • 排水性の高い粗めの土が必須。鉢はやや小さめが開花に有利
  • 開花には十分な光量と株の成熟が必要。焦らず育てる

Next Read

読了後におすすめの記事

tokyoplants で購入する

ショップを見る →

tokyoplants

お気に入りの植物を見つけよう

Anthurium・Monstera・Philodendron など希少植物を取り揃えています

ショップを見る
📷

Instagram で最新情報をチェック

入荷情報・育て方のコツを発信中

@tokyoplants_

関連記事

植物図鑑の他の記事