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ストレリチア属とは|レギネ・ニコライの違いと育て方・花の咲かせ方
植物図鑑

ストレリチア属とは|レギネ・ニコライの違いと育て方・花の咲かせ方

by tokyoplants 編集部

ストレリチア属とは

ストレリチア属(Strelitzia)はゴクラクチョウカ科に属する常緑多年草・低木のグループで、南アフリカ原産の5種から構成される。鮮やかなオレンジと青の花が、羽を広げた極楽鳥(birds of paradise)に見えることから「極楽鳥花(ゴクラクチョウカ)」とも呼ばれる。観葉植物としてはレギネとニコライの2種が広く流通しており、モダンインテリアとの相性が良いことから近年特に人気が高まっている。

項目 内容
科名 ゴクラクチョウカ科(Strelitziaceae)
属名 ストレリチア属(Strelitzia
種数 5種
原産地 南アフリカ
生育型 常緑多年草〜低木
耐寒温度 5〜8℃(種により異なる)

属名はイギリス国王ジョージ3世の王妃、シャーロット・オブ・メクレンブルク=シュトレーリッツ(Charlotte of Mecklenburg-Strelitz)に由来する。1773年にイギリスの植物学者ジョセフ・バンクスによって命名された。


レギネとニコライの違い

流通するストレリチアの大半はレギネ(S. reginae)とニコライ(S. nicolai)の2種だが、両者はサイズ・葉形・花色・管理難易度で大きく異なる。購入前に必ずどちらの種かを確認することが重要で、誤認したまま管理すると大きく育ちすぎる・花が咲かないなどの問題が生じる。

比較項目 レギネ(S. reginae ニコライ(S. nicolai
草丈 1〜1.5m 3〜10m(屋外)
葉の形 長楕円形・革質・やや小型 大型バナナ葉状・幅広
葉の長さ 30〜50cm 60〜200cm
地面から直接葉柄が出る 明確な幹が発達する
花色 オレンジ×青 白×紫
花の咲きやすさ 比較的咲きやすい 室内ではほぼ咲かない
室内管理の難易度 ★★★☆☆(普通) ★★☆☆☆(比較的容易)
価格帯 ¥2,000〜¥15,000 ¥3,000〜¥50,000以上

レギネは観葉植物・花卉として両面で楽しめる種で、日当たりが十分な環境では室内でも開花する。成株は1〜1.5m程度にまとまるため、マンションのリビングでも管理しやすい。

ニコライは国内では主にインテリアグリーンとして流通し、天井に届くほど大型になる。葉がバナナに近い大型の羽状葉で、存在感が抜群。自然環境では花を咲かせるが、室内の光量では開花はほぼ期待できない。


品種一覧

ストレリチア・レギネ(S. reginae

ストレリチア属の代表種。南アフリカ東ケープ州原産で、乾燥地〜やや湿潤な草地に自生する。オレンジ色の萼片と青紫色の花弁の組み合わせが特徴で、南アフリカの国花にもなっている。成株になると春〜秋に複数回開花する。

ストレリチア・ニコライ(S. nicolai

別名「ホワイトバードオブパラダイス」。ニコライはロシア皇帝ニコライ1世に由来する。自生地では幹が直径15cmを超える大木になる。葉はバナナに似た大型で深緑色。花は白と紫で美しいが、室内で開花させるのは難しい。

ストレリチア・アルバ(S. alba

別名「ホワイトストレリチア」。ニコライに近い大型種で、白い花を咲かせる。ニコライと混同されることが多いが、葉柄の色や花の細部で区別できる。流通量は少ない。

ストレリチア・ユンセア(S. juncea

葉身が退化し、葉柄だけの細い棒状の姿が特徴的な変わり種。レギネの亜種として扱われることもある。乾燥に強く、独特のシルエットがモダンインテリアと相性が良い。葉が細いため光合成量が少なく、成長は非常にゆっくり。

ストレリチア・コーダタ(S. caudata

南アフリカ北部〜ジンバブエに自生する希少種。大型になり、花は白色。流通はほとんどなく、植物園で見られる程度。


育て方の共通ポイント

ストレリチア属で最も重要な管理ポイントが「光」である。自生地の南アフリカは日照量が豊富で、全種が強光を好む。室内では南向きの窓際など、できるだけ明るい場所に置く。レース越しの直射光(2,000〜5,000ルクス以上)が理想で、暗い場所に置くと葉が間延びし、レギネの場合は花が咲かなくなる。

夏の強烈な西日や南窓への直射は葉焼けを起こすことがあるため、遮光ネットやレースカーテンで調整する。

水やり

成長期(4〜10月)は土の表面が乾いたらたっぷり与える。ストレリチアは多肉的な根を持ち、過湿よりもやや乾燥気味を好む。冬は生育が緩慢になるため、土が乾いてから3〜5日後に水を与える程度に控える。

葉水(霧吹き)は病害虫予防になるが、花に直接かけると傷む原因になるため注意する。

温度

生育適温は18〜30℃。レギネは5℃まで耐えるが、ニコライはやや寒さに弱く8℃以上を保つのが望ましい。日本では関東以西の暖地では屋外越冬可能だが、関東以北では室内管理が基本。

夏の高温は問題ないが、35℃以上の猛暑日が続くと葉が焼けたり、水分蒸散が激しくなるため水やりの頻度を上げる。

排水性の高い培土が必須。根は多肉的で太く、過湿が続くと腐りやすい。赤玉土(中粒)4:腐葉土3:パーライト2:鹿沼土1 程度の配合、または観葉植物専用土にパーライトを2〜3割混ぜて使用する。

肥料

成長期(5〜9月)に緩効性肥料(マグアンプKなど)を2ヶ月に1回、または液肥を月2回施す。リン酸分が多い肥料は開花促進に効果的。冬季(11〜3月)は施肥不要。

植え替え

根詰まりすると成長が鈍るが、ストレリチアは適度に根が詰まった状態のほうが開花しやすいという特性がある。完全に根が張り出す前に、1〜2年に1回を目安に一回り大きな鉢に植え替える。適期は5〜6月の成長期初期。


花を咲かせるための条件

レギネは適切な環境が揃えば室内でも開花するが、以下の条件が重要になる。

1. 十分な日当たり

開花に最も影響するのが光量。南向き窓際や温室など、1日4時間以上の直射光(または強い間接光)が当たる環境が必要。暗い部屋に置いていると葉は元気でも花芽が形成されない。

2. 株の充実(成熟株であること)

レギネは種から育てた場合、開花まで5〜7年かかる。購入した株でも小株の場合はさらに数年かかることがある。大株(高さ60cm以上・葉が10枚以上)であれば開花の可能性が高まる。

3. 適度な根詰まり

ストレリチアは根が鉢いっぱいに詰まった状態でよく花を咲かせる。株が安定して花芽を出している時は、むやみに植え替えない。ただし根が鉢底から大量に飛び出すほど詰まった状態が続くと根腐れのリスクが上がるため、数年に一度は植え替えが必要。

4. 温度差(昼夜の温度差)

春先の昼夜の寒暖差(10℃程度の差)が花芽形成を促すとされる。屋内管理のみの場合でも、冬〜春にかけての自然な温度変化が刺激になる。

5. 適切な施肥(リン酸重視)

チッソが多い肥料は葉の生長を促すが、開花には逆効果になることがある。開花期(春〜初夏)の前にリン酸・カリウムを重視した肥料を与えると効果的。


よくあるトラブルと対処法

葉が割れる・裂ける

「ストレリチアの葉が割れている」と心配する声が多いが、これは正常な現象である。自生地では風を受けて葉脈が自然に裂けることで、風の抵抗を分散させる適応だ。室内では風が当たらないため葉は割れにくいが、成熟した葉では一部が裂けることがある。割れても植物の健康には問題なく、対処は不要。

ただし、茶色く乾燥しながら裂ける場合は乾燥ストレスや葉焼けのサインなので、置き場所と水やりを見直す。

葉が黄色くなる

主な原因は以下の3つ。

  1. 過湿・根腐れ: 最多原因。土が常に湿った状態になっていないか確認する。鉢底から水が抜けているか、鉢底石の状態も確認する。
  2. 直射日光による葉焼け: 強い日光で葉先・葉面が黄〜茶色に変色する。遮光する。
  3. 自然な老化: 下葉が1〜2枚黄変するのは代謝の一部で問題なし。

花が咲かない

上記「花を咲かせるための条件」を一つずつ確認する。最も多い原因は光量不足。次いで株がまだ若い・小さいケース。環境を整えても咲かない場合は、冬季に一時的にやや乾燥気味に管理し、春先に施肥と水やりを再開すると花芽形成が促されることがある。

葉先が茶色くなる

空気の乾燥が主因。エアコンの風が直接当たる場所を避け、葉水を与えるか加湿器を使う。水質(カルシウム過多の硬水)が原因になることもあるため、浄水器の水を使うか、雨水を活用するのも有効。

根が鉢から飛び出す

ストレリチアは根が非常に旺盛で、プラスチック鉢なら底を突き破ることもある。根が鉢底穴から出ている程度は根詰まりの合図。根が鉢を変形させるほど詰まっていたら植え替えが必要。植え替え時は根を傷つけないように注意し、無理に伸ばした根を切るよりも一回り大きな鉢に移すほうがダメージが少ない。

ハダニ・カイガラムシの発生

乾燥した室内環境でハダニが付きやすい。葉裏を定期的に確認し、白い点や汚れがあればすぐに対処する。葉水を習慣にすることで予防できる。カイガラムシは白いワタ状の塊として現れ、歯ブラシで物理的に除去した後、殺虫剤を散布する。


まとめ

  • ストレリチア属はゴクラクチョウカ科の5種からなる南アフリカ原産の属
  • 流通する主な2種:レギネ(小型・オレンジの花)とニコライ(大型・インテリア向け)
  • 最重要管理ポイントは「光」——南向き窓際など明るい場所が基本
  • 排水性の高い土・乾燥気味の水やりで根腐れを防ぐ
  • レギネを開花させるには光量・株の充実・適度な根詰まりの3条件が必要
  • 葉が割れるのは正常な適応で、対処不要
  • 過湿と光不足がトラブルの大半を占める

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