台風対策|ベランダ・屋外の観葉植物を守る方法
Contentsこの記事の内容6項目
「ベランダに出している大鉢、台風のときはどうすればいいんだろう」「去年は鉢が倒れて割れてしまった」——9月は台風シーズンの本番で、屋外・ベランダで観葉植物を育てている方にとっては悩みの多い時期です。
強風・大雨・塩を含んだ風は、観葉植物にとって想像以上のダメージになります。倒れた鉢が割れる、葉が破れる、塩害で葉先が枯れ込む、通過後の過湿で根腐れするなど、被害のパターンはさまざまです。この記事では、台風前にやっておくべき準備から、屋内に入れられない大型鉢の対策、台風後に必ず確認したいポイントまで、季節性の高い「台風対策」に絞って解説します。
なお、ビカクシダなど着生植物の屋外管理と台風時の避難については ビカクシダの置き場所ガイド と ビカクシダ・ビフルカツムの育て方 でも触れていますので、あわせて参考にしてください。
結論(台風前にやるべきことリスト)
台風対策の基本は「動かせるものは屋内へ、動かせないものは固定・保護する」の2択です。
台風の進路予報が出たら、以下をタイミング別に進めておきましょう。
| タイミング | やること |
|---|---|
| 数日前(進路予報が出たら) | 避難先(玄関・廊下・浴室など)を確保する/鉢底の排水穴の詰まりを確認する/ベランダの排水口(ドレン)周りのゴミを取り除く/防風ネット・不織布・ロープ・重りを用意する |
| 前日まで | 小〜中型の鉢植えを屋内へ避難させる(受け皿の水を捨て、葉裏の害虫を確認)/ハンギングポット・吊り鉢は必ず取り込む/動かせない大型鉢は横倒し・壁際集約・ロープや重りで固定する/支柱・行灯(あんどん)仕立ては支柱を補強するか倒して固定する/葉の広い植物を防風ネットや不織布で覆う |
| 当日 | 屋外での作業はしない(転倒・怪我の危険)。室内に避難させた鉢の様子を確認する程度にとどめる |
| 通過後 | 受け皿の水を捨てる/塩害・折れ枝・過湿の3点を点検する/葉に塩の跡があれば洗い流す |
なぜこれらの対策が必要なのか、以下で具体的なやり方を見ていきましょう。
Pick Up — この記事で使う用土
台風前の準備
まず手持ちの植物を「動かせるか」「どんな仕立てか」で整理すると、やるべき対策が見えてきます。
| 植物・鉢のタイプ | 基本方針 | 具体的な対応 |
|---|---|---|
| 小〜中型鉢(一人で持てる) | 屋内へ避難 | 玄関・廊下・浴室などへ前日までに移動。受け皿の水は捨てる |
| 大型鉢(持ち上げられない) | 固定・保護 | 横倒しにして壁際へ/ロープ・重りで固定/キャスター台で建物の陰へ |
| ハンギングポット・吊り鉢 | 必ず取り込む | 落下すると階下・通行人に危険。屋内避難が唯一の対策 |
| 支柱・行灯仕立て | 補強または倒して固定 | 支柱ごと風を受けやすい。無理に立たせない |
| 葉の大きい植物(モンステラ・ウンベラータ・バナナ類など) | 屋内避難+ネット保護 | 屋内に入らない場合は防風ネット・不織布で鉢ごと覆う |
| 着生植物(ビカクシダの板付け・吊り) | 取り込む | 詳細はビカクシダの置き場所ガイドを参照 |
屋内へ避難させる
最も確実で効果的な対策は、動かせる鉢をすべて屋内に入れることです。 玄関・廊下・浴室など、光が多少弱くても数日であれば問題ない場所を避難先として確保しておきましょう。
避難させる際のポイント。
- 台風接近が予報された時点で、直前ではなく前日までに移動を済ませる(強風・大雨が始まってからの移動は転倒・怪我のリスクが高い)
- 鉢底の受け皿に溜まった水は必ず捨ててから屋内に入れる(室内での過湿を防ぐ)
- 屋内に入れる際、害虫が一緒に持ち込まれないよう葉裏をざっと確認しておく

「玄関や浴室は暗いけど大丈夫?」とよく心配されるけど、数日なら光不足の影響より風で葉が裂けるダメージのほうがずっと大きいよ。避難を優先して、戻すときはいきなり強い日差しに当てず、元の場所に戻す前に半日陰で1日慣らすと安心。
鉢を固定する
屋内に入れられないサイズの鉢は、倒れない・飛ばされないように固定します。
- 横に倒して置く:直立させたまま強風を受けるより、鉢を横倒しにしてベランダの壁際や手すり沿いに寄せるほうが倒壊・落下のリスクを減らせます
- 重り・ロープで固定する:鉢同士をロープでまとめて縛る、鉢の周りに水を入れたポリタンクなどの重りを置くと安定します
- 壁際・窓の少ない面に集める:風が直接吹き付ける面を避け、建物の陰になる位置に集めるだけでも被害を軽減できます
特に注意したいのはハンギングポット・吊り鉢です。 支点が外れて落下すると、下の階への被害や通行人への危険につながるため、台風が予想される場合は必ず取り込みましょう。
防風ネット・不織布で保護する
葉が大きく風の抵抗を受けやすい植物(モンステラ、ウンベラータ、バナナ類など)は、防風ネットや園芸用の不織布で覆うと葉の裂けや折れを軽減できます。
- 防風ネットは鉢ごとすっぽり覆い、地面や鉢の縁で固定する
- 不織布は保温・防寒用としても流用できるため、台風シーズンが終わっても冬まで保管しておくと便利
- 完全に風を防ぐことはできないため、あくまで「被害を減らす」対策と考え、可能であれば屋内避難と併用する
排水経路の確認
台風は強風だけでなく大雨も伴います。ベランダの排水口(ドレン)に落ち葉やゴミが詰まっていると、水が溜まって鉢が水没したり、階下への浸水事故につながることもあります。台風前にドレン周りを掃除しておくことも忘れずに行いましょう。
屋内に入れられない大型鉢の対策
大型のウンベラータやモンステラ、シマトネリコなど、一人で持ち上げられないサイズの鉢は屋内避難が現実的でないことも多いはずです。そうした場合は次の方法を検討してください。
- 鉢を横倒しにする:直立させるより風を受ける面積が減り、転倒による衝撃も分散されます。あらかじめ段ボールや毛布を敷いてから倒すと鉢や幹への傷を防げます
- キャスター付き鉢台で建物の陰に移動する:完全な屋内でなくても、共用廊下や物置スペースなど風雨が直接当たらない場所に移動できると被害を大きく減らせます
- 鉢同士・手すりへの固定:複数の大型鉢がある場合はロープで数鉢まとめて縛り、ベランダの手すりなど動かない構造物に固定すると単独転倒を防げます
- 土を軽量化して普段から動かしやすくしておく:そもそも大型鉢が重すぎて動かせないことが台風時の悩みの根本原因になっているケースは多いです。日頃から軽量培養土を使っておけば、いざという時の緊急移動がしやすくなります。軽量化の具体的な配合は 観葉植物に軽い土おすすめ5選 で解説しています
毎年台風のたびに「重すぎて動かせない」と悩む場合は、次の植え替えのタイミングで鉢のサイズや土の配合を見直しておくと、翌年以降の負担が大きく減ります。

大型鉢の定位置を決めるときは、日当たりだけじゃなく「風の通り道」も一緒に見ておくのがコツ。ベランダの角や手すり際は風が集まりやすいから、普段から壁寄りの明るい場所を定位置にしておくと、台風のたびに大移動しなくて済むよ。
台風後の点検ポイント
台風が過ぎ去った後も、油断は禁物です。以下の3点は必ず確認しましょう。
塩害(潮風による葉の傷み)
海に近い地域や強い南風を伴う台風の後は、葉先が茶色く枯れ込む「塩害」が出ることがあります。潮を含んだ風が葉に付着し、葉の水分を奪ってしまうのが原因です。
対処法:台風通過後、葉に白っぽい塩の跡が見える場合は、霧吹きや軽いシャワーで葉の表裏を洗い流しましょう。塩分が残ったままだと乾燥・変色が進みやすくなります。すでに枯れ込んだ部分は自然回復しないため、見た目が気になる場合は枯れた葉先をハサミで整えて構いません。
折れ枝・傷んだ葉の処理
強風で葉が裂けたり、枝が折れたりすることは珍しくありません。放置すると傷口から病原菌が入り込むリスクがあるため、早めの処置が大切です。
対処法:
- 完全に折れてぶら下がっている枝や葉は、清潔なハサミで付け根から切り落とす
- 裂けた程度の軽い傷であれば、無理に切除せず様子を見てよい(自己修復することもある)
- 切り口が大きい場合は、癒合剤を塗っておくと病原菌の侵入を防げる
土の過湿・根腐れ対策
台風は短時間に大量の雨をもたらすため、屋外に出しっぱなしだった鉢は用土が水浸しになっていることがあります。受け皿に水が溜まったまま数日放置すると、根腐れの直接的な原因になります。
対処法:
- 台風通過後はすぐに受け皿の水を捨てる
- 鉢底の排水穴が土や落ち葉で詰まっていないか確認する
- しばらく晴天が続く場合でも、土が過湿状態の間は追加の水やりを控える
- すでに葉の黄変やしおれなど根腐れのサインが出ている場合は、根腐れは復活できる?原因と6ステップの対処法 を参考に早めに対処してください

台風のあとに晴れると土の表面はすぐ乾いて見えるけど、鉢の中はまだ雨水でびしょびしょなことが多いよ。表面の色じゃなく、鉢を持ち上げた重さで判断してね。通過後に受け皿の水を捨てた日をアプリの水やり記録に残しておくと、次にいつ水をやるか迷わなくなるよ。
よくある失敗例
直前まで対策を先延ばしにして間に合わなかった
台風接近の直前は風雨が強まり、屋外での作業自体が危険になります。対処法:天気予報で台風の進路が見えた時点、できれば前日までに避難・固定を済ませておきましょう。
受け皿の水を捨てずに屋内へ避難させた
避難させることに気を取られ、受け皿に溜まった水をそのまま屋内へ持ち込んでしまうケースです。室内で長時間水が溜まったままだと根腐れの原因になります。対処法:移動前に必ず受け皿の水を捨てる習慣をつけましょう。
塩害に気づかず放置した
海の近くでなくても、台風の進路によっては強い潮風が内陸まで届くことがあります。葉先の変色を「水切れ」と勘違いして水やりを増やしてしまうと、かえって根を傷める場合もあります。対処法:台風後は塩害の可能性も疑い、まず葉を洗い流してから様子を見ましょう。
大型鉢を放置して倒れるままにしていた
「重いから動かせない」と諦めて何も対策をせず、結果的に鉢が倒れて割れたり、株が傷んでしまうケースです。対処法:横倒しにする、ロープで固定するなど、動かせない場合でも被害を減らす手立てはあります。日頃から軽量な土を使って動かしやすくしておくことも有効な予防策です。
まとめ
- 台風対策の基本は「動かせるものは屋内へ、動かせないものは固定・保護」の2択
- 屋内避難ができない大型鉢は、横倒し・ロープ固定・建物の陰への移動で被害を減らす
- 普段から軽量培養土を使っておくと、いざという時の緊急移動がしやすくなる
- 台風後は塩害・折れ枝・土の過湿の3点を必ず点検する
- 直前の対応は危険を伴うため、天気予報を見て前日までに準備を済ませておくことが重要
台風シーズンを安全に乗り切るためにも、日頃の土選びから見直しておきましょう。tokyoplantsの I'm original SOIL(tokyoplantsプレミアム培養土) は観葉植物の根環境に配慮したブレンドで、植え替え時の軽量化・排水性改善にも活用できます。ビカクシダなど着生植物特有の屋外管理・台風時の避難については ビカクシダの置き場所ガイド もあわせてご覧ください。
この記事を書いた人

Masashi Matsubuchi / tokyoplants
tokyoplants オーナー
東京・世田谷を拠点とする希少観葉植物専門店「tokyoplants」オーナー。自ら海外へ足を運んで一点ずつ厳選した株を買い付け、年間800株以上を自身の手で育てて販売しています。
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