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カネノナルキ(クラッスラ・オバータ)完全図鑑|金運系観葉植物の育て方
植物図鑑

カネノナルキ(クラッスラ・オバータ)完全図鑑|金運系観葉植物の育て方

by tokyoplants 編集部

丸みを帯びた肉厚の葉が硬貨のように連なることから「カネノナルキ(金のなる木)」の通称で親しまれるクラッスラ・オバータ。開業祝いや新築祝いの贈り物としても定番の縁起物だが、実態は南アフリカ原産の多肉植物であり、水やりや用土の考え方は一般的な観葉植物とは大きく異なる。この記事では、基本情報から育て方、専用の用土選び、ペットとの暮らしで気をつけたい点までを一次情報に基づいて解説する。

結論

  1. カネノナルキは南アフリカ原産の多肉植物で、乾燥に強く過湿に弱い性質を持つ。 一般的な観葉植物用の土をそのまま使うと保水性が高すぎて根腐れの原因になるため、多肉植物・サボテン専用の排水性の高い土を使うのが安全である。
  2. 「カネノナルキ」という通称は日本での商業上の呼び名であり、学術的な学名は Crassula ovata 葉が丸い硬貨のように見えることや、幹が太く育つ様子が「お金が生る木」というイメージに重なり、縁起物として広まった。
  3. ASPCA(米国動物虐待防止協会)は、カネノナルキ(Jade Plant)を犬・猫に対して毒性があると分類している。 原因となる毒性成分はASPCAの公式データベース上でも「Unknown(未特定)」とされているが、嘔吐・運動失調・元気消失などの症状が報告されており、ペットのいる家庭では置き場所に配慮したい。

基本情報

項目 内容
学名 Crassula ovata (Mill.) Druce(旧学名 Crassula argentea Thunb. は現在シノニム扱い)
科名 ベンケイソウ科(Crassulaceae)
属名 クラッスラ属(Crassula
原産地 南アフリカ(東ケープ州〜クワズール・ナタール州にかけての乾燥地域)
生育型 常緑多肉低木
耐寒温度 5℃以上(霜に弱い)
難易度 初心者向け(★☆☆☆☆、ただし水やりの考え方の切り替えが必要)

学名の ovata はラテン語で「卵形の」を意味し、葉の形状に由来する。POWO(Plants of the World Online、英国キュー王立植物園の植物データベース)では Crassula ovata (Mill.) Druce が正式に受理された学名(accepted name)とされており、かつて広く使われていた Crassula argentea はこの学名のシノニム(異名)として整理されている。

特徴

貯水組織を持つ多肉質の葉と幹

カネノナルキの葉と幹には、水分を蓄える貯水組織が発達している。原産地の南アフリカは降雨が不規則な乾燥地域で、雨が降った際に一気に水を吸収し、長期間の乾燥に耐える生存戦略を取っている。この性質により、土が乾いた状態が続いても問題ない一方、土が常に湿っていると根が窒息し、根腐れ・軟腐(茎や根が腐って崩れる症状)を起こしやすい。

木立ち性で幹が木質化する

多くの多肉植物が茎の伸びない「ロゼット型」であるのに対し、カネノナルキは幹が太く木質化し、盆栽のような樹形に仕立てられるのが特徴である。成長とともに幹が太くなり、年数を重ねるほど貫禄のある姿に育つ。

条件が揃うと開花する

日照時間が短くなる晩秋〜冬にかけて、条件が揃うと小さな星形の白〜薄ピンクの花を咲かせることがある。室内管理では開花条件(十分な日照と適度な低温期)が揃いにくく、花を見る機会は多くない。

名前の由来

「カネノナルキ(金のなる木)」という通称は、丸く肉厚な葉が硬貨のように連なって見えることに由来する日本独自の商業上の呼び名で、学術的な名称ではない。開業祝いや引っ越し祝いの贈答用として定着したのは、この見た目の縁起の良さに加え、丈夫で育てやすいことも大きな理由と考えられる。海外では "Jade Plant(ヒスイの木)"、"Money Plant"、"Lucky Plant" などと呼ばれ、同様に金運や幸運に結びつけたニックネームが定着している。

育て方

光(置き場所)

日当たりの良い場所を好む。屋外の日なた〜室内の明るい窓辺が適しており、光量が不足すると茎が間延びする「徒長」を起こし、葉の間隔が伸びて姿が崩れる。徒長のサインが出たら、より明るい場所への移動を検討する。

水やり

「土が完全に乾いてから、さらに数日待ってから」を基本とする。一般的な観葉植物のように土の表面が乾いたらすぐ与えるのではなく、鉢全体がしっかり乾いたことを確認してから水を与える。特に冬季は成長が緩やかになるため、水やりの間隔をさらに空ける。

用土

排水性が極めて高い、多肉植物・サボテン専用の用土を使うのが安全である。観葉植物用の一般的な培養土は有機質(腐葉土・ピートモス)の比率が高く保水性が高すぎるため、カネノナルキにはそのまま使うと過湿になりやすい。詳しい選び方と配合比率は多肉植物・サボテンの土おすすめと配合比率で解説している。

自分で配合する場合は、赤玉土(小粒)・軽石(小粒)・パーライトを中心に、無機質の比率を全体の7〜9割程度確保するとよい。tokyoplantsの『I'm original SOIL(tokyoplantsプレミアム培養土)』はココチップなどの有機質を含む着生植物向けの配合思想のため、カネノナルキのような多肉質の植物には設計上の相性が良いとはいえない。市販の多肉植物・サボテン専用培養土を選ぶことをおすすめする。

温度

生育適温は15〜25℃。5℃を下回ると葉が傷みやすくなり、霜に当たると枯死することもある。冬は室内の暖かい場所で管理する。

肥料

成長期(春・秋)に月1回程度、多肉植物用の緩効性肥料を施す。真夏・真冬の休眠期に近い時期は施肥を控える。

植え替え

2〜3年に1回、春または秋の生育期が適期。鉢の中で根が回っている、水はけが悪くなったといったサインが見られたら植え替えのタイミングである。植え替え前は水やりを止めて土を乾かし、根を傷つけにくい状態にしておく。

よくあるトラブル

茎が間延びして姿が崩れる(徒長)

原因: 光量不足。過湿気味の用土もこれを助長する。

対処: より日当たりの良い場所に移動する。伸びすぎた茎は切り戻し、切った茎は数日乾かしてから挿し木に利用できる。

葉がぶよぶよと柔らかくなる・根元が黒く変色する

原因: 過湿による根腐れ・軟腐。水やりの頻度が観葉植物と同じ感覚になっていないか確認する。

対処: すぐに鉢から抜き、黒く変色した根や茎を取り除く。切り口を数日乾燥させてから、乾いた新しい用土に植え直す。詳しくは根腐れの原因と復活方法も参照。

葉がしわしわになる

原因: 極端な水切れ。多肉植物は乾燥に強いが、限度を超えると貯水組織の水分が枯渇する。

対処: 通常の水やりを再開する。慢性的な水切れが続いていた場合は、少量ずつ数回に分けて水を与え、急激な吸水による根への負担を避ける。

葉が落ちる

原因: 急激な環境変化(置き場所の変更、温度変化)、または過湿・乾燥のいずれか。

対処: 置き場所を固定し、水やりの頻度を見直す。下葉が数枚落ちる程度であれば自然な新陳代謝の範囲内であることも多い。

増やし方

葉挿し・茎挿し

健康な葉を1枚、または茎を数cm切り取り、切り口を数日〜1週間ほど乾かしてから、乾いた多肉植物用の土の上に置く(または軽く挿す)。水やりは発根が確認できてから少量ずつ再開する。葉挿しは成功率にばらつきがあるが、茎挿しは比較的発根しやすい。

ペットとの暮らしで気をつけたいこと

ASPCA(米国動物虐待防止協会)の毒性植物データベースでは、Jade Plant(カネノナルキ/Crassula ovata、旧学名 Crassula argentea)が犬・猫・馬に対して毒性を持つ植物として掲載されている。原因となる毒性成分(Toxic Principles)はASPCAの公式データベース上でも「Unknown(未特定)」とされているが、誤食すると嘔吐・運動失調(ふらつき)・元気消失(抑うつ状態)などの症状(Clinical Signs)が報告されている。中毒の程度は軽度〜中等度とされることが多いが、猫や犬が葉を齧るクセがある場合は、届かない場所に置くか、誤食に気づいた際はすぐにかかりつけの獣医師やASPCA動物毒物管理センターに相談したい。詳しくは猫に危険な観葉植物リストも参照してほしい。

まとめ

  1. カネノナルキは南アフリカ原産の多肉植物で、乾燥に強く過湿に弱い性質を持つ。水やりは「土が完全に乾いてからさらに数日待つ」が基本。
  2. 一般的な観葉植物用の土は保水性が高すぎるため、多肉植物・サボテン専用の排水性重視の用土を選ぶのが安全。
  3. ASPCAにより犬・猫への毒性が報告されている植物のため、ペットのいる家庭では置き場所や誤食対策に配慮したい。

丈夫で縁起の良いカネノナルキだが、多肉植物としての正しい水やり・用土の考え方を押さえることが、長く元気な姿を保つ最大のポイントだ。

→ 専用の用土選びは多肉植物・サボテンの土おすすめと配合比率で詳しく解説している。

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